『日々の映像』

2007年10月26日(金) 年金保険料の全額税方式

 若い人たちの交流する機会が多い。知識を持っている人たちを含めて、国の年金政策の不振は大変なものである。バブルが崩壊した10年前、経済新聞は「消えゆく日本」という連載記事が新聞の1面を飾っていた。10年経過したが日本消えていない。ここで何をいいたいのか。日本のマスコミは物事を悲観的に捉える傾向が強いのである。年金関係の報道にも、物事を悲観的に捉える傾向は強く、この影響で20代・30代の人は「俺たちの時代の年金は貰えない」と思っている人が多いように思う。

 どうせ貰えないのだからと、年金保険料をはっていない人が多いのが現実である。あと30年も経過すると年金なしの高齢者が続出することになる。過日出席した金融関係の講演で、この時代になると、自殺者は現在の数倍になるのでないかと予測していた。

 国民年金の「年金保険料を払わない人には年金を払いません」という現在の政策は国民の不信の前に事実上機能していない。50%近くの人が未納では、現在の政策を根本的に変更せざるを得ないだろう。

 民主党や日本経団連は、年金保険料のすべてを税金で賄う「全額税方式」を採用するよう主張している。この場合、消費税換算で5〜7%の財源が求められ、現在5%の税率を10〜12%に引き上げる必要があるとしている。仮にこのようにすれば、全員が年金相当部分を負担することになるので1面では理解できる政策なのである。

 しかし、問題点は多くある。私のように年金保険料を払え終え、年金を貰っている層が、もう一度年金保険料相当の7%(合計で12%)の消費税を払う矛盾である。




「全額税方式なら消費税5〜7%上げ」年金財源で試算
 経済財政諮問会議の民間議員が25日の会議に提出する基礎年金の国庫負担に関する試算が明らかになった。

 それによると、政府の方針通り、現行の「保険料方式」を維持して、2009年度までに国庫負担を現在の3分の1から2分の1に引き上げる場合、消費税率に換算して1%分(2・5兆円)の財源が必要となる。一方、すべてを税金で賄う「全額税方式」を採用した場合は、消費税換算で5〜7%の財源が求められ、現在5%の税率を10〜12%に引き上げる必要があると試算している。
 全額税方式は、民主党や日本経団連が導入を主張している。試算では、現行の受給資格を前提とした場合に消費税換算で5%分(12兆円)、保険料が未納の人も含めて給付する場合に同7%分(16・3兆円)の財源が必要となる。
 諮問会議は負担額について具体的な選択肢を示すことで、年金制度と税制改革の議論を進めたい考えだ。
(2007年10月24日14時44分 読売新聞)

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石田ふたみ