『日々の映像』

2007年10月24日(水) コンビニは残酷物語である。

 24時間のコンビニを開店して、どれだけの人が挫折し破産に近い状況に追い込まれたのである。私の近所のコンビニ2件が閉鎖となった。そもそも人間は夜に眠ることによって生体のバランスが保たれている。個人経営であるコンビニの店主は、この夜に眠らないのが通常である。これほど健康に悪いことは他に無いであろう。

 24時間経営を総て否定するわけでない。最近スーパーで24時間の店がある。
ここは直営店であるので、体調が悪ければ夜の勤務を交代できる。しかし、個人経営のコンビニはこれが出来ないのである。過日少人数のビジネスセミナーに参加した。このセミナーの資料の一部でコンビニ開店までの、負担内容の説明があった。そして、講師はコンビニの実態について聴取の意見を求めたので「残酷物語ですね」と私は答えた。

 夜の勤務が如何に健康に悪いか、ここで取りあけるまでも無いか次のニュースは収録しておきたい。
*夜中の光で…体内時計バラバラ 理研チームが発見
2007年10月22日 読売新聞
*「体内時計」朝の作動が重要
2006年2月13日 読売新聞

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夜中の光で…体内時計バラバラ 理研チームが発見
機能停止で不眠症も
 真夜中に光を浴びると眠れなくなるのは、細胞に組み込まれている体内時計が光の刺激でバラバラになり、機能停止に陥るのが原因であることを理化学研究所などの研究チームが突き止めた。この成果は、米科学誌「ネイチャー・セル・バイオロジー」(電子版)に22日掲載される。
 体内時計は人間などの動物に生まれつき備わっている。体を作る細胞はいろいろな「時計遺伝子」を備えていて、心拍や体温などを約24時間周期で調節する。バランスが崩れると、不眠症になることもある。
 理研の上田泰己チームリーダーらは、マウスの皮膚細胞を〈1〉網膜のように光を感じる〈2〉朝の活動モードに切り替える時計遺伝子が働くと、細胞自身が発光する――ように改造。そのうえで、改造細胞群に様々なタイミングで光を当てた。
 正常なら細胞群は朝方光り、夜は消えるはずだが、真夜中に光を当てると、朝の発光が少なくなり、体内時計の働きが弱まった。真夜中に光を3時間続けて当てると、体内時計の機能の一部が停止し、個々の細胞がバラバラに光るようになった。
 時計遺伝子 1997年に哺乳(ほにゅう)類で初めて発見されて以来、約10種類が確認されている。夜行性のマウスと人間では、遺伝子の働く時間が逆転している。遺伝子により体内時計が1周する時間は、マウスが約24時間、ショウジョウバエは23時間半など、種によって違う。
(2007年10月22日 読売新聞)

「体内時計」朝の作動が重要
 ほぼ24時間周期のリズムを刻んでいる哺乳(ほにゅう)類の「体内時計」は、異なる時間に働く16個の時計遺伝子によって制御されているが、朝に働く遺伝子のオン・オフ(活性・停止)が正常に作動しないと、周期リズムが消滅してしまうことを、理化学研究所などの研究チームが突き止めた。
 睡眠障害などの治療薬開発につながる成果で、12日付の専門誌「ネイチャー・ジェネティクス」電子版に発表された。
 16個の時計遺伝子のうち9個は、朝の時間帯に働く。同研究所発生・再生科学総合研究センターの上田泰己チームリーダーらはこれまでの動物実験で、「朝型」遺伝子を働かなくすると、昼や夜に働く時計遺伝子にも影響し、細胞全体の周期リズムが消えてしまうことを確認している。今回、同センターと米スクリプス研究所は、朝型の時計遺伝子が常に働いている状態にして影響を調べた。その結果、この場合も細胞の周期リズムが消えることが判明。研究チームは、朝型の時計遺伝子の「オン」「オフ」の正常な切り替えが、非常に重要であると結論付けた。
(2006年2月13日 読売新聞)

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石田ふたみ