『日々の映像』

2007年10月23日(火) 日経平均続落、午前終値537円安…東京円は急騰

米株式相場の下落と急激な円高の進行を受けて全面安の展開となり、大幅続落している。前週末の終値と比べて549円67銭安い1万6264円70銭をつけ、取引時間中の今年6番目の大幅な下げを記録している。

円相場が一時1ドル=113円台半ばまで上昇したことも嫌気され、一時は下げ幅が549円まで広がり1万6300円を割り込んだものだ。円相場の上昇も株価下落の要因の一つとなっている。

震源となった米国の低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題について、実体経済への影響がどれだけあるのか、社説にあるように、米国は、サブプライムローンの焦げ付き問題を金融システムから切り離し、その影響が波及しないようにすべきだ。

その動向が注目される。ただ悪いことだけでない。1ドル=113円台に上昇しているので、ドル預金を考える人にとってはチャンスなのである。

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日経平均続落、午前終値537円安…東京円は急騰
 週明け22日の東京株式市場は、前週末の米株式相場の下落と急激な円高の進行を受けて全面安の展開となり、大幅続落している。

 日経平均株価(225種)は一時、前週末の終値と比べて549円67銭安い1万6264円70銭をつけ、取引時間中の今年6番目の大幅な下げを記録し、9月25日(1万6240円26銭)以来1か月ぶりの安値水準となった。
 東証1部銘柄の9割以上が値下がりしており、業種別では機械、ハイテク、商社など輸出関連銘柄の下落率が大きい。証券など内需株も下げている。
 日経平均の午前の終値は同537円27銭安の1万6277円10銭、東証株価指数(TOPIX)は同44・45ポイント低い1546・83だった。第1部の午前の出来高は約8億9000万株。
 一方、22日の東京外国為替市場の円相場は急騰し、午前11時現在、前週末(午後5時)比1円48銭円高・ドル安の1ドル=113円83〜86銭で取引されている。円相場が1ドル=113円台まで上昇したのは9月12日以来、約1か月半ぶりだ。
 前週末の米株式相場の大幅な下落に加え、ワシントンで19日開かれた先進7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が、米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題への解決策を示せなかったとの見方から、米経済の先行きに対する懸念が市場に広がり、円買い・ドル売りが加速している。
 G7が中国通貨・人民元の切り上げを求めたこともアジア通貨高への思惑から円買いにつながっており、円高を嫌気して株の売り圧力も強まった。
(2007年10月22日11時59分 読売新聞)


日経平均、大幅続落・終値375円安の1万6438円
                    10月22日日経
 22日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続落。終値は前週末比375円90銭(2.24%)安の1万6438円47銭だった。終値での1万6500円割れは9月26日(1万6435円)以来、約1カ月ぶり。前週末19日の米株式相場が経済の先行き懸念から急落したことを受けて、朝方から幅広い銘柄に売りが先行。外国為替市場で円相場が一時1ドル=113円台半ばまで上昇したことも嫌気され、一時は下げ幅が549円まで広がり1万6300円を割り込んだ。
 ただ、後場には円高が一服。日経平均の値ごろ感が強まったこともあり、後場には銀行株の一角などを買い直す動きが広がり、相場全体でも下げ渋った。東証株価指数(TOPIX)も大幅続落。
 業種別TOPIX(全33業種)では電気・ガス業を除く32業種が下落。鉱業、ガラス土石製品、鉄鋼などが大きく下落した。半面、銀行業、医薬品、その他金融業などの下げ幅は比較的小さかった。
 東証1部の売買代金は概算で2兆5602億円で、売買高は同19億658万株。値下がり銘柄数は1492、値上がりは186、変わらずは43だった。〔NQN〕(15:32)

毎日社説: 世界経済 カギを握るのは米国の対応だ
 株価が大暴落したブラックマンデーから20年となるが、金融市場は再び大きく揺れている。震源となった米国の低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題について、実体経済への影響が指摘されており、先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)も、世界経済の先行きに慎重な見方を示した。
 サブプライムローン問題をきっかけに、金融市場は動揺し、英国では中堅銀行への取り付け騒ぎにまで発展した。日米欧の中央銀行は資金を大量に供給すると同時に、米国は金利引き下げに踏み切り、日欧も利上げを見送ることにより、混乱の収拾を図った。
 資金の流れが滞り、決済不能が連鎖するという事態は回避された。しかし、米欧の金融機関の損失が拡大し、実体経済への悪影響も心配されている。週末のニューヨーク市場の株価急落も、原油高に加え、企業業績への懸念が背景にあった。
 問題は複雑だ。サブプライムローンは証券化され、それがさらに他の金融商品と組み合わさり、再度証券化されて販売されている。投資対象として有利な金融商品とみなされ、ヘッジファンドなど世界の機関投資家が購入していた。その結果、誰がどれだけの損失を抱えているのか、全容はいまだはっきりしていない。
 G7は共同声明の中で、証券化と金融技術の革新が経済成長に貢献したと指摘している。しかし、思わぬ落とし穴があることを、サブプライムローン問題は示した。
 金融機関のリスク管理は十分だったのか、資産評価と情報開示の問題、格付け機関の対応といった点が指摘されている。主要国の財務省、中央銀行、金融機関の監督当局でつくる「金融安定化フォーラム」が、混乱の背景を分析し、金融機関の監督や格付け機関について基本原則をまとめるという。
 世界の金融システムを強化するうえで新たな指針をつくることは重要だろう。ただ、それで十分でないことは明らかだ。
 米国では銀行傘下のファンドがサブプライムローン関連など、ハイリスクの金融商品に巨額の資金を投じていたことが新たな問題として浮上している。こうした銀行傘下のファンドが抱えている不良資産の買い取り基金をめぐり、米国の金融界は揺れている。
 日本の不良債権問題でも明らかなように、適切な措置をとらないまま時間が経過すると、問題は深刻化していく。米国は、サブプライムローンの焦げ付き問題を金融システムから切り離し、その影響が波及しないようにすべきだ。
 G7では、SWF(ソブリン・ウェルス・ファンド)と呼ばれる政府系ファンドの問題も討議された。ロシアや中国などSWFの規模は急拡大しているものの、運用方針など実態は不明なままだ。
 サブプライムローン問題と同様に、SWFの行動によって市場が不測の混乱に陥る可能性も指摘されている。投資対象やリスク管理の手法などを公開し、透明性を高めるよう求めたい。
毎日新聞 2007年10月22日 0時34分

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石田ふたみ