『日々の映像』

2007年09月21日(金) 自殺未遂の4割「以前にも」

自殺未遂者の統計は無い。この道に詳しい評論家などの推論があるのみである。
行政は掌握しようと思えある程度は出来ると思う。しかし、臭いものに蓋をしたいのか、自殺未遂者の人数をつかもうとする動きは無い。

報道によると、「自殺を図り、救命救急センターに運ばれて一命を取り留めた「重症自殺未遂者」のうち、4割以上が過去にも自殺を図った経験のあることが、横浜市立大精神医学教室自殺予防研究チームの調査で分かった。」(読売から)という。

日々の映像の映像を書き始めた1997年当時の自殺者は2万人台であった。この年自殺に関する衝撃的な記述をする。ある評論家の論説であるが、「自殺未遂者は、自殺成功者の10倍だ」との指摘であった。この推論は大まかに当たっているのであれば、日本で30万人の人が自殺を試みることになる。どうしてこんなに個人を追い詰める社会なのだろう。

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自殺未遂者の4割「以前にも」…横浜市大調査
               (2007年9月19日3時2分 読売新聞)

自殺を図り、救命救急センターに運ばれて一命を取り留めた「重症自殺未遂者」のうち、4割以上が過去にも自殺を図った経験のあることが、横浜市立大精神医学教室自殺予防研究チームの調査で分かった。

 
国内では自殺者が9年連続で3万人を超え、自殺者対策が急務となっているが、未遂者の実態把握はこれまで不十分だった。未遂者が再び自殺を図る危険性が明確になったことで、同チームでは「未遂者の医療的、社会的支援が自殺対策上、極めて重要」と指摘している。

 同チームでは、2003年度以降、同大付属市民総合医療センター(横浜市)にある高度救命救急センターに搬送され、入院したすべての自殺未遂者を対象に、本人と家族から聞き取りを行い、そのうち07年7月までの554人(搬送患者の11・7%、男222人、女332人)を分析した。

 過去に自殺を図った経験の有無を尋ねたところ、「なし」は48・1%、「1回」21・8%、「2回以上」20%で、過去にも経験がある人は41・8%に上った。
 
未遂者の自殺リスクを巡っては、自殺者の約半数に未遂歴があるとする1990年ごろのフィンランドでの調査などがある。今回の調査は日本でも同様の状況にあることを示した形だ。

 家族など同居者のいる人が73・4%と、家族がいても高い割合で自殺を試みていたほか、全体の8割近くがうつ病や適応障害などの精神疾患を抱えていた。手段は、大量服薬が47・7%、飛び降り、刃物による自傷が各14%前後。理由は健康問題が22%を占め、家庭問題や恋愛などの人間関係、経済問題と続いた。年代別では20代(28・6%)、30代(24・7%)が多く、あとは40、50、60代の順。

 研究チームのリーダーの河西千秋・同大准教授は「体の治療が終わってそのまま退院させれば、再び自殺を図り、本当に命を失う恐れがある。入院中から精神科医やソーシャルワーカーらが未遂者とその家族に専門的に介入し、精神疾患があれば治療を進めて、生活苦に対しては行政や民間の福祉サービスを勧めるなどの手を打つべきだ。また、退院後も支援を続ける仕組み作りが必要」と話す。
 
未遂者ケアの重要性には厚生労働省も着目し、未遂者支援の指針作りを進めている。日本自殺予防学会事務局長の張賢徳・帝京大溝口病院精神神経科科長は「病院の努力だけでは限界がある。行政が先頭に立ち、今ある支援制度や相談窓口を連携させる体制を築いてほしい」としている。












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石田ふたみ