『日々の映像』

2007年08月08日(水) 中越沖地震の記録 (29)

1、両陛下、中越沖地震でお見舞いへ 8日、柏崎など訪問  朝日新聞
2、原発の被災状況、安全委員に正しく報告せず 東京電力  朝日新聞
3、中越沖地震:サポート情報 ライフライン        毎日新聞
4、その手のぬくもりを:被災地から 我慢せず泣けばいい  毎日新聞
5、ペットもPTSD? 嘔吐など、被災地で相談相次ぐ   毎日新聞 
6、中越沖地震、震源の深さは10キロ…気象庁が再算出    読売新聞
7、中越沖地震、直下のマグマが原因か 読売新聞
8、柏崎原発で作業員に放射能の水かかる、3週間たって公表 読売新聞
9、被災地3首長が首相に要請   新潟日報


1、両陛下、中越沖地震でお見舞いへ 8日、柏崎など訪問  朝日新聞
2007年08月07日11時12分
 天皇、皇后両陛下が新潟県中越沖地震の被災者を見舞うため、8日に日帰りで柏崎市や刈羽村を訪問することが、7日午前の閣議で報告された。両陛下は中越地震の発生間もない04年11月にも、長岡市の避難所などを訪れている。
 宮内庁によると、自衛隊ヘリで被災地を上空から視察し、被害を受けた東京電力柏崎刈羽原子力発電所などを見て回る。その後、避難所を訪れて被災者を見舞う予定。
 また、高円宮妃久子さまの次女典子さま(19)が学習院大学の夏休みを利用し、18〜25日に韓国を旅行することも閣議報告された。



2、原発の被災状況、安全委員に正しく報告せず 東京電力  朝日新聞
2007年08月06日22時08分
 国の原子力安全委員会の委員2人が新潟県中越沖地震で被災した東京電力柏崎刈羽原発を調査した際、事実関係について正しい説明を受けていなかったことが、6日の委員会で明らかになった。
 この日の委員会で東電は6、7号機の中央制御室の蛍光灯86本が落ちたことなどを報告。その際、早田邦久委員が「7月19日に現地調査に行き、中央制御室を視察して被害状況について聞いたが、そうした報告は受けなかった。極めて残念だ」と語った。
 東電は「当時は事態を重要視しておらず、説明者が蛍光灯落下を知らなかった。不手際で申し訳ない」と話している。



3、中越沖地震:サポート情報 ライフライン 毎日新聞
 ◇鉄道 JR信越線柿崎−柏崎間、同越後線柏崎−吉田間が不通。代行バスは両不通区間のほか、直江津−柏崎間、直江津−長岡間(柿崎経由)も運転。
 ◇道路 国道352号の柏崎市椎谷−大崎間、同市大湊−刈羽村刈羽間で通行止め。
 ◇ガス 日本ガス協会によると、7日午後8時現在、柏崎市、刈羽村の3万978世帯のうち、1万3616世帯で供給がストップ。
毎日新聞 2007年8月7日 20時37分



4、その手のぬくもりを:被災地から 我慢せず泣けばいい  毎日新聞
 ◇「阪神」経験の看護師、高齢者を励まし
 後ろ髪を引かれる思いで被災者に別れを告げた。「ばあちゃん3日しかおれんでごめんね」。兵庫県からボランティアで駆け付けた看護師、阿部陽子さん(31)は、短い滞在を終え、避難所をあとにした。
 京都市の看護専門学校に通っていた95年、阪神大震災で友人3人を失った。被災地で、健康相談に乗るなどボランティアをした。今は関西労災病院(兵庫県尼崎市)のICU(集中治療室)が勤め先だ。都市型とは違う地震の被災地を経験すれば今後に生かせると考えボランティアに応募した。「うちらも阪神大震災の時に助けてもらってるんで」。有給休暇扱いだが、交通費は自腹だ。
 避難所に来たのは1日。柏崎市西山町の避難所に入り、泊まり込みで被災者の血圧測定や健康相談に乗った。3日間で、約50人の顔と名前を覚え、健康状態を把握した。
 柏崎市と合併した旧西山町地区は、人口約6600人のうち約3割が65歳以上。発生直後の混乱期が過ぎ、被災者は一見落ち着いた様子だが、高齢者を中心に高血圧や血糖値が上がるなど、健康面の不安が残る。
 倒壊した自宅の今後を尋ねると泣き出す人や、消灯後に外出し1人で酒を飲む男性もいた。「高齢者は我慢強い人が多く、『自分よりもっと大変な人がいる』と考えて無理をしている」と心配する。
 避難所内での活動の傍ら、位牌(いはい)を守るためや「避難所は落ち着かない」との理由で、自宅にこもる高齢の被災者らの様子を見て回った。「うちにはなんぼ当たってもいいよ」と語りかけ、悩みを聞いた。「泣くことが大事。泣けて良かったねと言ってあげる」
 「飲んでいる薬のこと全部引き継いでおいたからね」。避難所を去る際、高齢の女性の手を両手で握りしめた。相手も精いっぱい握りしめてくれた。【岡田悟】
毎日新聞 2007年8月7日 東京夕刊



5、ペットもPTSD? 嘔吐など、被災地で相談相次ぐ  毎日新聞 
 新潟県中越沖地震の被災地の動物病院に、ペットの犬や猫に食欲不振や嘔吐(おうと)などの症状が出たとの相談が相次いでいる。地震のショックでペットにPTSD(心的外傷後ストレス障害)のような症状が出ることは過去の地震でも指摘されており、専門家は「できるだけスキンシップを取って」と呼びかけている。
 イトウ動物病院(柏崎市三和町)には、中越沖地震があった先月16日の夕方に4件、17日には30件の相談があった。以降も1日10〜15件は寄せられる。内容は▽おびえ▽食欲不振▽嘔吐、下痢−−など。犬は大半が小型犬で、神経質な犬は症状が重いという。
 同病院を訪れた同市松波の河南歌代子さん(55)が飼っているマルチーズの「アン」は、河南さんから離れないようになった。母犬のチイも食欲がなくなり、地震前の半分も食べないと心配する。
 01年の芸予地震でも、同様の状況が報告されている。山口県の獣医師、山本敏雄さん(故人)の調査では、調べた犬156頭のうち82頭が落ち着きがなくなるなどの異常を示し、15頭はPTSDのような状態だった。
 人と動物の関係学が専門の太田光明・麻布大教授は「犬は身近におき、人間の子どもと同じように接してほしい。猫はストレスを感じない環境が必要」と話している。【山崎理絵、関東晋慈】
毎日新聞 2007年8月7日 東京夕刊



6、中越沖地震、震源の深さは10キロ…気象庁が再算出 読売新聞
気象庁は7日、新潟県中越沖地震の震源の深さについて、地下の詳細な構造を考慮して計算し直すと、約10キロになると発表した。
 同庁は、「同じ深さならばどの場所でも地震波の速度は一律」と仮定して、複数の観測点のデータから震源の位置を決定しており、地震直後に、震源の深さは17キロと発表していた。
 ただ、今回の10キロという数字は、調査研究の一環で算出したもので、同庁は「震源の決定方法はすべての地震で統一しており、中越沖地震の震源の深さの公式記録は17キロで変わりない」としている。
(2007年8月7日21時23分 読売新聞)



7、中越沖地震、直下のマグマが原因か 読売新聞
 新潟県中越沖地震や2004年の中越地震は、地下約40キロまで上がっているマグマによって引き起こされた可能性が高いことが、東北大学の研究でわかった。
 地上に出れば火山噴火となるマグマが、地下にとどまったまま地震の断層運動に影響を与えたとみられる。予測の難しい内陸型地震の発生地域の特定に役立つ成果という。
 同大の研究チームは、北陸から近畿にかけての地下400キロより浅い部分の構造を、地震波が伝わる速度を使って調査した。その結果、多量の液体を含む部分を、地下40キロ以深の「マントル」と、地下25キロ付近の「地殻」の部分にそれぞれ発見した。
 深い方の真上には火山が集中しており、研究チームはこの液体を岩石が溶けたマグマと推定している。中越沖地震や中越地震の震源直下にも、この領域が広がっていた。
 浅い方は、冷えたマグマから分離した水とみられ、飛騨山脈から兵庫県にかけて分布していた。両側から力を受けている断層に加わった水が潤滑剤となり、そこだけが、大きな揺れを伴わないままゆっくり動く。水が来なかった部分には一層のひずみがたまり、それがたまると急激に滑って強い地震波を出したという。
 中越地方で水の領域は見つかっていないが、研究が先行している東北地方では、03年の宮城県北部地震の震源直下でマグマと水が確認されている。
 中島淳一助教(地震学)は「マグマが直下にある場所は地震が発生しやすいといえる」と話している。
(2007年8月7日3時1分 読売新聞)



8、柏崎原発で作業員に放射能の水かかる、3週間たって公表 読売新聞
 新潟県中越沖地震発生時に柏崎刈羽原子力発電所の使用済み核燃料プールの水があふれた問題で、東京電力は6日、当時、1号機のプールの近くにいた作業員2人が放射能を帯びたプールの水を浴びていたと発表した。
 水で足元をぬらした作業員も1号機と6号機に数人いたという。
 東電は「全員、健康への影響はない」としている。公表が3週間後と遅れたことについて、東電は「協力(下請け)企業を通してのヒアリングに時間がかかった」と釈明している。
 東電によると、1号機で水を浴びた2人は下請け企業の男性作業員。プール脇のフロアで作業中、水が上半身や下半身にかかった。2人とも防水服と頭部を覆うマスクを着用していたという。水は床を伝って、少し離れた場所にいた数人の靴や靴下をぬらし、肌に触れた人もいたという。
 6号機でも、水で靴をぬらした作業員が数人いた。
 水を浴びた2人を含め全員が管理区域退出時の検査で、放射能が安全基準値(1平方センチあたり4ベクレル)を下回ったという。その後、体調を崩したり、病院で診察を受けたりした作業員はいないという。
 東電は地震発生時の作業員の動向について、7月26日から聞き取りを実施。発生時に放射線管理区域内にいたのは817人で、大半が下請け企業の作業員だった。うち52人は原子炉建屋内にいた。
(2007年8月6日23時52分 読売新聞)



9、被災地3首長が首相に要請  新潟日報
 中越沖地震で被災した柏崎市の会田洋市長と刈羽村の品田宏夫村長、出雲崎町の小林則幸町長が6日、安倍晋三首相と首相官邸で面会し、激甚災害への早急な指定など復興に関する要望書を手渡した。首相は7日の閣議で激甚指定を決定する方針を表明した。地震発生から約3週間での指定は過去最短になる。
 閣議では中越沖地震を局地激甚災害に指定し、対象区域を柏崎、刈羽、出雲崎の3市町村のほか長岡市とする政令を決め、10日に交付する予定。公共土木施設や農地などの災害復旧事業の国庫補助率がかさ上げされ、中小企業に対する貸付期間の償還期間も延長される。
 要望書はほかに個人住宅の建て替えなどに向けた被災者生活再建支援制度の拡充、復興基金の創設や特別交付税による財政措置、東京電力柏崎刈羽原発の安全確保の計4項目。会田市長は「大きな被害が出ており、一自治体では限界がある」と国の支援を求めた。
 安倍首相は「激甚指定には強い要望がある」と7日の閣議決定方針を伝え、復興基金に関しては「検討していきたい」、被災者生活再建支援制度については「使いやすい、分かりやすいものにしなければならない」と述べ、それぞれ前向きな姿勢を示した。原発に関しては「地元住民に正確な情報を伝えることが大切」とした。原発を所管する甘利明経済産業相も同席した。
 面会後、会田市長は「過去にない素早い対応で喜んでいる」と激甚指定方針を評価。品田村長は「首相の積極的な姿勢がうかがえ、心強い」と語った。
 3首長は6日、文部科学、国土交通、総務の3大臣とも面会し、同様の要望を行った。
2007年08月06日

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石田ふたみ