『日々の映像』

2007年08月07日(火) 中越沖地震の記録 (28)

1、中越沖地震>激甚災害指定へ  毎日新聞
2、中越沖地震と豪雨災害、7日に激甚災害指定へ…首相が表明   読売新聞
3、原発作業員、核燃料プールの水かぶる 中越沖地震時 朝日新聞
4、柏崎刈羽原発:原子力安全委に「蛍光灯落下」説明せず 毎日新聞
5、公立小中学校施設の9%、震度6強で倒壊の恐れ 読売新聞
6、原発の地震被災、東電が安全委に制御室被害を過小報告 読売新聞
7、海底表面には断層見つからず 新潟日報
8、被災地支援の隊員を市長激励 新潟日報



1、中越沖地震>激甚災害指定へ  毎日新聞
(毎日新聞 - 08月06日 18:51)
 政府は6日の事務次官会議で、7月に起きた新潟県中越沖地震を激甚災害に指定する方針を決めた。7日の閣議で正式決定する。指定により、柏崎市など被災した4市町村に対し、災害復旧事業の国庫補助のかさ上げなど特別の財政援助を実施する。

 激甚災害は、復旧事業費が一定の基準を超える場合に指定される。柏崎市、長岡市、出雲崎町、刈羽村で▽公共土木施設など約243億円▽農地など約17億円▽中小企業関係約438億円−−の被害が出た。

 また政府は、6月11日〜7月17日に梅雨前線と台風4号の影響で九州から東北地方に降った大雨についても激甚災害に指定する。九州を中心に▽農地約31億1000万円▽農業用施設約50億9000万円▽林道約47億3000万円−−の被害が見込まれる。

 これまで政府は、局地的な被害の場合は復旧事業費の確定を受け年度末に指定してきたが、3月の能登半島地震を機に指定基準を改正。被害が一定の基準を超えると見込まれた時点で指定するようになった。中越沖地震は発生23日目の最速指定となる。【鈴木梢】


2、中越沖地震と豪雨災害、7日に激甚災害指定へ…首相が表明   読売新聞
 政府は、新潟県中越沖地震について、激甚災害法に基づく激甚災害に指定する方針を決めた。
 安倍首相は6日、首相官邸で被害を受けた柏崎市の会田洋市長らと会い、この方針を伝えた。7日の閣議で決定する。
 7月16日の発生から22日間での激甚災害指定だ。これは、1995年の阪神大震災の7日間に次ぐ早いペースとなる。
 対象となるのは、新潟県長岡市と柏崎市、出雲崎町、刈羽村の4市町村で、復旧事業費の見込み額は公共土木施設243億円、農地17億円、中小企業関係438億円。
 また、政府は7日の閣議で、6月11日から7月17日にかけての梅雨前線や台風4号による豪雨・暴風雨災害についても激甚災害と指定する。熊本、宮崎、鹿児島各県などを中心に大きな被害が出ており、復旧事業費の見込み額は129・3億円に上る。
 激甚災害に指定されると、復旧費が一定の基準を超えた場合、国庫補助率が引き上げられる。
(2007年8月6日19時12分 読売新聞)

3、原発作業員、核燃料プールの水かぶる 中越沖地震時 朝日新聞
2007年08月06日20時51分
 新潟県中越沖地震で被災した東京電力柏崎刈羽原子力発電所は6日、発生時に1、6号機にいた複数の作業員が、揺れの影響で使用済み核燃料貯蔵プールからあふれ出た放射性物質を含んだ水を体に浴びていたと発表した。全身を覆う作業服などを着ていたため、人体に影響はないとしている。一方、4、6号機の原子炉圧力容器のふたを開ける装置でも油漏れが新たに見つかった。
 東電が、発生時に放射線管理区域にいた作業員817人を対象に聞き取り調査した。その結果、52人が使用済み核燃料貯蔵プールなどがある作業フロアにいた。1号機では、プールのそばで制御棒取り換え工事の準備作業をしていた男性作業員2人が、プールからあふれた水を上半身や下半身にかぶったという。
 1、6号機ではプールからあふれた水が作業フロアに広がり、それぞれ複数の作業員の靴の中に入り込み、靴下がぬれた。すぐに退去して足の皮膚の放射線量を測定したところ、いずれも法定値(1平方センチ当たり4ベクレル)を下回ったという。
 水をかぶった作業員はいずれも協力会社の社員で、病院などには行っていないという。
 一方、新たに油漏れが見つかったのは、「スタッドボルトテンショナー」と呼ばれる直径約8メートル、高さ約6メートル、重さ約40トンの円盤形の装置。原子炉の容器を開閉する際、天井クレーンで圧力容器の真上に運び、油圧で、容器のふたのボルトを締めたり、緩めたりするという。
 4号機の装置で約200リットル、6号機の装置で約24リットルの機械油がそれぞれ漏れていた。詳しい原因は分かっていないが、地震の揺れが影響したとみられている。
 東電は「装置を直さない限り、圧力容器のふたは開かない。今後の点検作業に影響が出るのは避けられない」としており、天井クレーンの破損に加え、さらに原子炉内の点検時期が遅れるのは確実な見通しだ。



4、柏崎刈羽原発:原子力安全委に「蛍光灯落下」説明せず 毎日新聞
 中越沖地震で東京電力柏崎刈羽原発6、7号機共用の中央制御室の天井から蛍光灯が落ちた問題で、地震3日後に視察した原子力安全委員会の早田邦久委員に同社側が「マニュアルなどが落ちただけだった」と、事実と異なる説明をしていたことが、6日分かった。早田委員が同日の委員会で明らかにし「ありのままの状況を聞きたかった。残念だ」と批判した。
 制御室では蛍光灯86本が照明器具ごと落ち、天井の化粧板も落ちた。しかし同社は当初、軽微な問題とみなし、地震直後の公表もしなかった。早田委員に説明したのは発電所ナンバー2の「ユニット所長」だが当時は落下を知らなかったという。同社は委員会で「不手際をおわびします」と謝罪した。【高木昭午】
毎日新聞 2007年8月6日 21時04分 



5、公立小中学校施設の9%、震度6強で倒壊の恐れ 読売新聞
 全国の公立小中学校の校舎や体育館のうち、震度6強の地震で倒壊する危険性の高い施設が計1万1659棟に上ることが6日、文部科学省の専門家会議による推計で分かった。

 これは全12万9559棟の9%にあたり、同省では「極めて深刻な状況」として、「公立学校施設耐震化推進計画」を今年度中に策定し、これら危険性の高い施設をなくすことを目指す。
 しかし、肝心の自治体からは「耐震化を進めるには費用も時間もかかる」などの声も上がっており、深刻さの早期解消は簡単ではない。
 今回、「震度6強で倒壊の危険性が高い」とされた学校施設の危険度は、耐震強度偽装事件で使用禁止となったマンションの耐震強度「50%未満」に相当する。
 同省は今年6月、建設年などを根拠に全体の3割強にあたる4万5000棟余りが「耐震性不十分」と判断。このうち、約1万9000棟について、鉄筋量などを調べる精密な耐震診断を行ったところ、4328棟が震度6強で倒壊の危険性が高いことが分かったと発表していた。
 今回は、簡単な診断しか行われていなかったり、診断が未実施だったりした施設計3万4500棟について、これまでのデータなどをもとに推計したところ、新たに7331棟についても、震度6強で倒壊する危険性が高いとの計算結果が出た。
 この推計結果を受け、同会議がこの日まとめた「耐震化推進計画案」は、2008年度からの5年間で、優先して対策を取ることや、時間や費用もかかる改築ではなく補強などで済ませることなどを求めている。
 ただ、精密な耐震診断には、1棟あたり200万〜300万円が必要。さらに、校舎1棟の補強には6000万〜1億円、改築となると、10億〜20億円かかるとされている。
 北海道陸別町では、これまでに町立小中学校の全10棟の耐震診断すら行ったことがない。その理由について、「財政難のため、先延ばしにしてきた」と町幹部は打ち明ける。
 人口約3000人の町の年間予算は35億〜40億円。来年度、ようやく精密な診断を行う予定だが、「補強費の2分の1、改築費の3分の1が国から補助されるが、診断して工事が必要になっても、(地元負担分の)費用を捻出(ねんしゅつ)できない」と頭を抱える。
 また、3年前に中越地震を経験し、今年7月に再び中越沖地震に見舞われた新潟県では、県教委の担当者が「財政事情が厳しい自治体の中には『もう地震は来ないだろう』と甘く考えて、予算を耐震化に振り向けなかったケースもある」と話す。今年4月現在、同県の耐震診断済みの学校施設は全施設の63・0%で、全国で最低だった。
 耐震補強に時間がかかることも自治体担当者の悩みの種となっている。
 震度6強で倒壊の危険性が高いと判定された施設が34棟に上った神奈川県藤沢市では、計画を前倒しして、2009年度中にこれらの耐震工事を終える予定だ。ただ、工事に取りかかるまでの間も、校舎や体育館は普段通りに使い続けるという。市教委担当者は「校舎、体育館を使っている間に大地震がこなければいいのだが……」と漏らす。
(2007年8月6日21時56分 読売新聞)




6、原発の地震被災、東電が安全委に制御室被害を過小報告 読売新聞
 新潟県中越沖地震で東京電力の柏崎刈羽原子力発電所が被災した問題で、国の原子力安全委員会が現地調査した際に、東電が中央制御室内の被害の様子を実態より少なく報告していたことが6日、わかった。
 東電は、この虚偽報告に関する事実関係の確認と原因の調査を始めた。
 同委員会は地震3日後の7月19日、東邦夫委員長代理(元京大教授)と早田邦久委員(元日本原子力研究所理事)を現地に派遣し、原発の被災状況を調査した。
 その際、両委員は同原発6、7号機を集中制御する中央制御室を訪問し、地震の被害について尋ねた。応対した職員は「棚からマニュアル類が落ちただけ」と説明。制御室内はきれいに片付いており、被害はないように見えたという。
 ところが実際には、蛍光灯86本がカバーごと落下したほか、天井の板の一部が脱落し、避難路を示す非常灯もずれる被害などが出ていた。けが人はおらず、原発の制御にも影響はなかったが、東電は今月3日になってこの事実を詳しく公表。両委員は報道された内容を見て、初めて制御室内に被害があったことを知った。
 6日に都内で開かれた同委員会の会議で、早田委員が東電の小森明生・原子力品質・安全部長に対して「あるがままの被害を見る目的で現地に行ったのに、何の説明もなかった。極めて残念だ」と抗議。小森部長は「当社の説明に不手際があった。おわびしたい」と頭を下げた。
 早田委員は会議終了後、「トラブル発生時の中央制御室の様子は、私たちにとって常に気がかりなこと。照明が落下したのなら、なぜ正直にそう話してくれないのか、理解に苦しむ」と話していた。
(2007年8月6日20時41分 読売新聞)



7、海底表面には断層見つからず 新潟日報
 海上保安庁は6日、中越沖地震の震源域の海底を音波で詳細に調査した結果、地震による地殻変動を示すような断層は海底の表面では見つからなかったと発表した。

 海保は「中越沖地震では、断層が深いところにあって海底面に現れていないか、調査域の外にある可能性がある」としている。

 調査結果によると、柏崎港の沖10―15キロ、水深約100メートルの海底で、表面がしわ状になる「ケスタ地形」を確認したが、断層などは発見できなかった。

 海保は7月20日からの5日間、測量船「天洋」(430トン)を使い、震源を含む柏崎市などの沖合約12キロ、幅約30キロを調査した。

 調査結果は8日に開かれる政府の地震調査委員会に提出し、今後さらに詳細な分析をする。
新潟日報2007年8月6日



8、被災地支援の隊員を市長激励 新潟日報
柏崎市の会田洋市長は5日、同市内で中越沖地震の被災者支援を続けている自衛隊を激励した。炊き出しや入浴支援の現場では「みなさんの活動が被災者の心のゆとりになっている」と感謝して回った。

 会田市長はこれまでも避難所などで自衛隊の活動を視察していたが、今回は初めて活動の指揮を執る現地本部も訪れた。

 現地本部では、担当者が被災地の大きな地図を見せながら活動状況を説明。同市栄町の避難所の炊き出し支援現場では、会田市長が「自衛隊の食事はおいしいと市民から評判なんです」とお礼を言いながら、食事を作る様子を見て回った。

 会田市長は「自衛隊のおかげで被災者支援ができた。本部は初めて見たが、しっかりしているとあらためて実感した」と話していた。

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石田ふたみ