『日々の映像』

2007年08月04日(土) 中越沖地震の記録 (25)

1、耐震診断への問い合わせ増加  新潟日報
2、柏崎市などを激甚災害指定へ  新潟日報
3、長岡市で被災者へ再建説明会  新潟日報
4、IAEA、6日から原発調査  新潟日報
5、問題発言「地震は歴史的な実験」、原発技術委の座長が辞任  読売新聞
6、柏崎刈羽原発「防油堤」に亀裂、絶縁油が地下流出の可能性   読売新聞
7、航空機用の大型冷風車、柏崎の避難所でフル稼働  朝日新聞
8、柏崎刈羽原発6号機のクレーン、継ぎ手破損は3カ所  朝日新聞
9、原発で最大揺れ2058ガル 柏崎刈羽3号機  朝日新聞
10、中越沖地震の仮設住宅、入居希望が発注分上回る  朝日新聞

1、耐震診断への問い合わせ増加  新潟日報
住宅に大きな被害が出た中越沖地震直後から、新潟市役所への耐震診断に関する市民の問い合わせが急増、2日までの約3週間で69件に上っている。診断を申し込むペースも加速、すでに昨年度の実績を上回った。市は自宅の安全性に疑問を持つ人が多いとみて、広報紙などでさらに制度の説明や活用呼び掛けに力を入れていく。
 同市は1996年度、木造住宅の耐震診断に対する補助制度を設けた。延べ床面積に応じ診断費用の2分の1、3万5000―5万円の補助が受けられる。2006年度までの利用者は年平均23件だった。
 しかし、7月の中越沖地震後、耐震診断への関心が急速に高まった。4月から地震発生までの3カ月半で32件だった問い合わせは、地震後の3週間足らずで2倍以上を数え、1日10件近く寄せられた日もあった。市建築行政課は「どういう建物が該当するかや、制度の内容を尋ねるものが多い」と解説する。
 利用申し込みも増えている。窓口となる県建築住宅センターには17日から30日までの2週間で、市民から10件の申し込みがあった。07年度は地震前と合わせ計33件となり、すでに06年度実績の30件を超えている。
 耐震診断は3年前の中越地震後にも一時注目された。05年度の耐震診断申し込みは、補助制度を設けて以来、最も多い55件だったが、翌06年度は大きく落ち込んだ。
2、柏崎市などを激甚災害指定へ  新潟日報

 中越沖地震で被災した柏崎市を2日、自民党の地震対策本部視察団(団長・中川昭一政調会長)が訪れ、7日にも同市などを激甚災害に指定する見通しを明らかにした。一部で不通となっていたJR越後線は、10日に全線で運転を再開する。
 激甚災害に指定されると復旧事業の国庫補助率のかさ上げや中小企業への低利融資などの助成措置が受けられる。
 視察団は東京電力柏崎刈羽原発の火災現場も視察。中川団長は「東電の初期対応が不安を増長する面があった。原子力エネルギーは必要だが、安全、安心が大前提だ」と苦言を呈した。
 会田洋柏崎市長、品田宏夫刈羽村長、小林則幸出雲崎町長は6、7の両日、激甚災害指定や原発の安全性確保などを求め、国に緊急要望をする。
 JR東日本新潟支社は、地震の影響で運転を見合わせていた柏崎―吉田間を、地震から26日目となる10日に臨時ダイヤで再開する。同区間では速度規制をして運転するほか、バスによる代行輸送も続ける。越後線が運転を再開すると、不通区間は信越線の柿崎―柏崎間だけとなる。
2007年08月03日


3、長岡市で被災者へ再建説明会  新潟日報
中越沖地震で長岡市は21―25日、市内で特に被害の大きかった大積・宮本、和島、寺泊の3地域で支援策に関する住民説明会を開く。対象は住宅が半壊以上の世帯。住宅応急修理、被災者生活再建支援、被災住宅復興資金融資など各制度を説明する。
 会場は20、21日が寺泊センターおおこうづ、22、23日が和島保健センター、24、25日が大積コミュニティーセンター。時間はいずれも午後7時半―9時。
 寺泊、和島の両支所と大積コミュニティーセンターには13日に相談窓口を開設するほか、今月末には市内全世帯に生活再建支援制度の案内を配布する。
 3地域では7日から町内会長や区長を対象にした説明会も開催する。
2007年08月03日


4、IAEA、6日から原発調査  新潟日報
 新潟県中越沖地震で被害を受けた東京電力柏崎刈羽原発への国際原子力機関(IAEA)調査団の訪問日程がほぼ固まり、6日から5日間、現地で活動する予定であることが2日までに分かった。政府関係筋が明らかにした。経済産業省原子力安全・保安院も2日午後、正式発表した。
 関係筋によると、調査団は、IAEAの原子力安全局の安全評価部門に所属する地震対策専門家ら2人に加え、米国や欧州の専門家ら3人の計5人となる予定。
 5日に来日し、6日から10日まで現地で活動。11日に帰途に就くという。その後、調査団は報告書をまとめる見通し。
 保安院によると、IAEAは先月19日に「日本が独自の調査を行う技術的能力を有していることは承知している」としながらも「国際的に情報を共有するため日本の調査に参加したい」と文書で申し入れた。
 保安院側は「一緒に調査を行うことを歓迎する」との文書を送るなど、先月22日までにIAEA調査団受け入れを決めていた。
 IAEAのエルバラダイ事務局長は先月24日、日本側の受け入れ決定を「歓迎」し、「国際的な原子力安全制度にとって役立つであろう今回の教訓を明確にする上で重要だ」とのコメントを発表した。
 また、IAEAの調査日程が固まったことについて、泉田裕彦知事は「とにかく早く来てほしいと思っていた」と歓迎。「第三者の目、世界の目で、利害関係なく何が起きたかを明らかにしてほしい。国際的にも誤った報道が相当された。放出された人工放射性物質も自然界に存在する(放射線の)レベルより低かったことなどを正しく評価してほしい」と述べた。
2007年08月03日

5、問題発言「地震は歴史的な実験」、原発技術委の座長が辞任  読売新聞
 新潟県は3日、「新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」の宮健三座長(法政大大学院客員教授)が同日付で委員を辞任したと発表した。
 宮氏は1、2の両日、中越沖地震で被害を受けた東京電力柏崎刈羽原子力発電所の県の立ち入り調査に同行。2日の記者会見で、「大地震が起きたことは大変ショックだったが、現場を見たら安心した。(地震は)歴史的な実験だったかもしれない」と発言し、地元住民の間で問題視する声が出ていた。
 県によると、宮氏が3日、「一身上の都合」を理由に辞任の意向を伝え、県がこれを了承した。当面、鈴木賢治・新潟大教授が座長を代行する。
 同委員会は、2002年に発覚した東電の自主点検不正問題をきっかけに、県が同原発の運転、管理、安全確保に関して専門家の指導・助言を受けるために設置。以来、宮氏が座長を務めてきた。
 宮氏は、原子炉機器工学の専門家で、東大、慶大教授を歴任した。
(2007年8月3日22時32分 読売新聞)



6、柏崎刈羽原発「防油堤」に亀裂、絶縁油が地下流出の可能性   読売新聞
 新潟県中越沖地震で、東京電力は3日、柏崎刈羽原発2、3号機の変圧器の地下にある「防油堤」のコンクリート製底面に、数か所の亀裂が見つかったと発表した。
 亀裂から、変圧器内で使っていた絶縁油計約200立方メートル(約180トン)が地下に流出した可能性があるという。
 東電は周辺の土を調査した後、土を除去する予定。放射能漏れの恐れはなく、海への油流出も確認されていないとしている。
 防油堤は、絶縁油が地中に流出するのを防ぐための設備。2号機では変圧器と絶縁油の冷却器をつなぐ配管に、3号機では変圧器とタービン建屋をつなぐ配管に、それぞれ亀裂が入っていたことがすでに判明しており、絶縁油はこれらの亀裂から防油堤内に漏れたとみられる。
 また、東電は、2か所で破損が見つかっている6号機の原子炉建屋内の天井クレーンで、新たに破損が1か所見つかったと発表した。
(2007年8月3日21時38分 読売新聞)



7、航空機用の大型冷風車、柏崎の避難所でフル稼働  朝日新聞
2007年08月04日03時14分
 新潟県中越沖地震で被災した柏崎市の避難所で、千葉県の成田空港からやってきた航空機用冷暖房車が冷房にフル稼働している。
本来は、駐機中の飛行機の客室冷暖房をする車。日本航空の関連会社が7月末に派遣した。
 11トントラックから延ばした全長45メートルの太いホース2本を体育館の2階に差し込み、ここから二またに分けて冷風を送る。これで館内は26〜28度に保たれている。
 新潟では3日、台風5号から吹き込む南風でフェーン現象が起きて気温が上昇、柏崎市では午後1時に32.4度に達した。
 地震発生直後から心配されていた避難所の暑さ対策は本番を迎えた。冷房装置がある避難所は、3日現在で柏崎市内で53カ所ある避難所のうちの6割程度にとどまる。




8、柏崎刈羽原発6号機のクレーン、継ぎ手破損は3カ所  朝日新聞
2007年08月03日23時36分
 新潟県中越沖地震で被災した東京電力柏崎刈羽原発について、東電は3日、2カ所で破損が見つかっている6号機原子炉建屋の天井クレーンで、車輪とモーターの継ぎ手部分に新たに1カ所破損を見つけたと発表した。原子炉内を調べるにはクレーンでふたをつり上げる必要がある。炉内の点検作業は9月にずれ込むことになりそうだ。
東電によると、天井クレーンは重さ310トンで、床面から高さ8メートル。両端にモーターと車輪があり、レール上を移動する。車輪とモーターをつなぐ継ぎ手は車輪側に2カ所、モーター側に2カ所ある。先月24日、車輪側の2カ所で鉄製の円柱部品(直径5センチ)の破損が見つかったが、メーカーで分析のため分解作業をしたところ、モーター側の1カ所も折れているのが見つかった。東電は「レールに歯止めを設けるなど落下防止策があり、落下することはない」としている。
 1、2、3号機は同じメーカー製で、4、5、7号機のクレーンは継ぎ手がないタイプの別のメーカー製。これまで、他の天井クレーンで損傷は見つかっていないが、詳細に点検する必要が出てきた。



9、原発で最大揺れ2058ガル 柏崎刈羽3号機
2007年07月31日00時03分
 新潟県中越沖地震に見舞われた柏崎刈羽原発について、東京電力は30日、本震の揺れをきちんと記録できた33台の地震計のデータ解析結果を公表し、3号機で2058ガル(ガルは加速度の単位で、1ガルは1秒間に秒速1センチの加速)の揺れが観測されていたことを明らかにした。原発で確認された地震の揺れとしては国内最大で、世界でも最大ではないかという。1号機で建設時に想定した6.8倍の揺れが確認されるなど、地震想定の甘さがはっきりした。
 公表したのは97台ある地震計のデータのうち、回路異常で記録がない1台を除く96台の最大加速度値と、33台の波形データ。残り63台はデータ上書きで最大加速度値以外の本震波形データが失われており、うち9台は最大加速度値も上限1000ガルで振り切れていた。
 波形データから東西方向に最大2058ガルの揺れがあったとわかったのは、3号機のタービン建屋1階にあるタービンを載せる台上の地震計。設計時の想定834ガルの2.5倍だった。
 1号機タービン建屋1階では想定(274ガル)の6.8倍、1862ガルの揺れがあった。地震直後に公表された原子炉建屋最下階(地下5階)では680ガルが最大。タービン建屋は約40メートル上にあり、揺れがより大きかった。
 地震波の周期ごとの分析では、1〜7全号機でほとんどすべての周期帯で想定を超えた(グラフは3号機原子炉建屋基礎上でのデータ)。2〜5号機では、放射能漏れなどにつながる原子炉圧力容器や燃料集合体、主要配管など重要機器の損傷を招きかねない周期帯(周期0.1〜0.5秒程度)でも超えていた。
 破損した6号機の天井クレーンに最も近い地震計では上下方向に重力加速度980ガルを上回る1541ガルを記録。最大の揺れを受けて一瞬、浮いた可能性があるが、落下止めが効き大事には至らなかったという。
 東電原子力設備管理部の森下日出喜部長は「地震の想定が甘かったと言われても仕方ない」と話し、経済産業省原子力安全・保安院の森山善範・原子力発電安全審査課長は「今後、耐震補強工事が必要か、検討したい」と述べた。
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10、中越沖地震の仮設住宅、入居希望が発注分上回る  朝日新聞
2007年08月03日21時26分
 新潟県中越沖地震の被災者向け仮設住宅の入居申し込みが3日、締め切られ、柏崎市、刈羽村、出雲崎町の3市町村で1414世帯、計約1550戸の申し込みがあった。県がすでに発注している1056戸の約1.5倍だが、県は、対象者が希望通り入居出来るよう、今後、追加発注する。遅くとも8月末までには完成させ、長期化しつつある避難所暮らしの解消をはかる方針だ。
 柏崎市では、発注済みの841戸の約1.6倍にあたる1229世帯、約1330戸の申し込みがあった。着工が早かった仮設住宅は12日ごろに完成する予定で、高齢者や障害者のいる世帯などから優先的に入居させる。
 一方、刈羽村では171世帯、204戸、出雲崎町では14世帯、15戸の申し込みがあった。対象者全員が、15日前後の完成と同時に入居出来るという。
 04年10月の中越地震では、被災者が仮設住宅へ入居出来るまで1カ月以上かかった。県はこの時の教訓を生かし、今回は地震の2日後には候補地を選んで業者に発注した。入居期限は2年間。家賃は無料で、光熱費は自己負担となる。


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石田ふたみ