『日々の映像』

2006年11月06日(月) 海外の日本レストラン欧米を中心に2万店

 日本人は食のプライドがあるのだろうかと思うことがある。世界的に大好評の日本食。欧米食に比べて健康的というイメージも手伝って、フランスでも出店が相次いでいるという。ブームに便乗した“偽”日本食レストランも続出しているそうで、日本貿易振興機構(ジェトロ)のパリ・センターには苦情も殺到しているのとか。農水省によると、海外にある日本食レストランは欧米を中心に約2万店を数えるが、和食とはかけ離れたメニューの料理を出す店も少なくないという。和風の調理法や接客にきちんと取り組んでいる店に日本政府の「お墨付き」を与えることで、正しい日本食に親しんでもらえるようにする。こうした自国料理の認証制度は、タイやイタリアも導入しているのだ。

 ここで少々考えてみよう。日本食が欧米食に比べて健康的というイメージが定着する根拠は脂質エネルギーが少ないことである。2006年8月12日の癒しの森で『健康のために和風の食事を』と題して書いた。糖尿病に代表される生活習慣病は食事が洋風になったことが大きな原因であることは広く知られている。標準的な550kcalの食事を洋風で取るか和風で取るかで以下の違いがあるのだ。
             和風    洋風
脂質エネルギー    25%    53%

  これを食料自給率でみると驚くような内容になる。
             和風     洋風
食料自給率      56%     14%

前段に「日本人は食のプライドがあるのだろうかと思うことがある」と書いた。日本中の家庭の朝食がパンを中心とした洋風であれば、食料自給率は僅か14%なのである。ご飯と味噌汁・漬物を中心とした和食であれば食料自給率は56%に上がるのである。外国人が日本食を取ろうとする・・・日本人は何も考えずにパン食にする・・・
この現象をどう解説すればよいのか。日本人に日本の食文化のプライドがないといわざるを得ない。食の習慣変更によって、劇的に食料自給率が変わることを自覚したいものである。

http://www.narinari.com/Nd/2006076166.html



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石田ふたみ