| 2006年11月02日(木) |
クマ捕獲、今年度2900頭超す 事故多発 |
現役のころ約10年会社の地質調査を担当した時期がある。事前の準備をして山の調査の入るのは4月と枯葉が落ちる11月であった。調査対象地はほとんど熊が出没する地域であった。真新しい熊の糞に出会うと余り気持ちがいいものでない。
調査は人が普通で、外部の業者を頼まない時は2人で調査するのが常であった。熊と出逢ってもこちらの武器は、地質調査用のハンマーのみである。熊が寄り付かないようにどのような対策を取ったか・・・熊の気配のある区域に行くと爆竹を鳴らすのである。「熊よ、近くにいたら逃げなさい」という信号である。静かな山の中での爆竹はかなりの距離まで響き渡る。この効果であったかどうかは分からないが、約10年間の調査で熊と出会うことはなかった。
今年度、人身事故や農作物への害で捕獲されたツキノワグマが全国で2956頭に達したという。朝日新聞のまとめによると「北陸地方などで大量出没した04年度の2241頭を超え、人身事故も死者3人、けが111人となっている。冬を前に食欲が盛んなだけに、11月に入ってもしばらくは出没しそうだ」〈朝日から〉という。 それにしても捕獲された熊が2956頭というからかなりの数といわねばならない。 捕獲後、唐辛子スプレーをかけるなどして人間の怖さを教えて奥山に放す「学習放獣」が319頭で残る2637頭は捕殺されている。
死亡事故は長野2人、富山1人。北海道では、ヒグマにより2人が死亡している。多くは山菜やキノコ採りで山に入っての事故であるので、秋の山歩きは地元の情報をよく確認してトラブルを避ける知恵が求められる。
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