『日々の映像』

2006年10月02日(月) 手術件数と死亡率の関係

 病院の情報は開示されていない。よって、われわれは少ない情報を整理して病院の選択をしなければならない。病院の手術成績格差は漠然とした報道があったが、手術件数多い病院と死亡率の関係が出ていたので書き留めておきたい。 

 手術件数多い病院ほど死亡率低いという。「食道がんでは、年75件以上の6病院で、在院死亡率が平均1.6%だったが、25件未満の716病院では平均6.5%と4倍の差があった。25件未満では、死亡率が20%を超える病院もあった」(10月1日・毎日から)というからたまらない。多くの手術をする病院だと死亡率が平均1.6%であるのに対し、年間25件未満の病院では死亡率が20%もあるというデータだ。

佐野俊二・岡山大医学部教授(心臓血管外科)は「手術件数が多いほど死亡率が下がるのは、プロの大工が日曜大工よりうまいのと同じで、ごく当然だ。手術が年25件未満、つまり月1、2件では明らかに足りない」との指摘は当然のように理解できる。
同学会は00〜04年に全国の計約700病院で心臓、食道がん、肺がんの手術を受けた患者計約30万人について、病院ごとの死亡率と手術件数との関係を分析した。病院名を公表しない約束で、各病院からデータを集めたものだ。 もう少し情報を箇条書きで整理しておきたい。

 1、心臓の「大動脈置換術」では、年平均20件以上を実施した病院で、手術後30日以、内の死亡率が7.9%だったのに、同5件未満の病院では18.5%と2倍以上高くなった。
2、後天性心臓病の手術全体でも、年100件以上の75病院の平均死亡率2.3%に対し、年25件未満の90病院では同4.8%だった。
3、肺がんでは、年150件以上の病院で死亡率0.3%、10件未満では1.6%だった。

われわれ庶民はどう行動すべきか・・・あえて補足するまでもない。

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石田ふたみ