| 2006年10月01日(日) |
大企業の8割に従業員の「心の病」:厚労省 |
従業員1000人以上の事業所の82%に、うつ病などメンタルヘルス(心の健康)上の理由による休業者がいることが29日、厚生労働省が発表した労働安全衛生基本調査で分かったという。社会経済生産性本部メンタルヘルス研究所の今井保次研究主幹は「企業はメンタルヘルスに不安のない社員はいないという認識を持ち、過密、過重労働や長時間労働など、原因となる業務の改善に取り組むべきだ」(6月30日・毎日から)と話している。 「心の病」のかなりの部分は過重労働から来ていると思う。ともかく、大企業の残業は凄まじい。1カ月に100時間を超えて残業している従業員がいると答えた企業は以下の通りだ。1ヵ月100時間とは1日4時間以上の残業になるのだ。 従業員1000人以上 43.9%、 従業員500〜999人 40.2%、 従業員300〜499人 22.9% 従業員10〜29人 12.7%
上記の残業時間とメンタルヘルス〈心の病気〉を抱えている割合はほぼ符号する。以下は従業員の規模とうつ病などメンタルヘルス(心の病気)に罹っている割合である。 従業員1000人以上 82.3% 500〜999人 66.3% 300〜499人 40.9% 10〜29人 1.5% 1000人以上の企業では休業.者の97.3%が1カ月以上仕事を休んでいた。
私は28歳までコンクリート2次製品メーカーに勤めた。経理の部門の関連の事務職であったが、この時大きな矛盾を感じた。当時の設計部の残業が毎日4時間を越えていたのである。その後砕石業の会社に移り42歳まで経理の責任者をした。残業は基本的にしないという鉄則で仕事を進めた。私の経験の範囲で記述させていただければ、「12時間も集中力を持った仕事は出来ない」というのが私の実感である。前記したコンクリート2次製品メーカー設計陣は、昼は適当に仕事をしているのである。私がここで指摘したいことは、12時間働いても実質は8時間分の仕事しかしていないことである。特に一定のテーマを書面化するような頭脳を使う仕事は、時間の長さよりスタッフの体調が仕事の正否を左右する。私は長時間働くから、良い社員という評価の基準は持っていない。長時間の社員拘束は疲労が積もるのは当たり前である。正味12時間を働くには通勤3時間・昼休み1時間で16時間になる。家に帰っても出勤まで8時間しかないのである。
大企業の管理者はこの現実をどう理解しているのだろう。1000人以上の大企業で1ヵ月100時間以上の残業をする社員がいると答えている企業が43.9%もある。何処か狂っているのでないかと思う。疲労感が残っていたら、満足な仕事は出来ないのである。
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