| 2006年06月10日(土) |
雇用1年で79万人増か:ただし9割以上が非正社員 |
私は中小企業の取締役を20年余り勤めた。よって企業のメカニズムの概要は知っている。激しい競争の社会に生き残るために、企業は常に優秀な人材を求めている。企業には優秀な人材は常に不足しているのである。使い物にならない社員の集合体になることは、企業の死を意味するといっても過言ではない。企業はこの深刻な認識のもとで人の採用をしようとするのである。
これから就職をしようとする若い人たちは、このような企業の基本認識に思いを馳せるべきであると思う。厳しい言い方をすれば、企業は一定の基準に適合しない人を正規社員としては採用しないのである。6月4日の産経新聞は、この雇用に関する厳しい現実を報道していた。
総務省の調査によると「景気回復に伴って雇用環境が改善する中で、この1年で増えた雇用者のうち、9割以上が非正社員である」〈産経から〉ことが分ったという。それにしても「雇用者全体に占める非正社員の割合は3分の1にまで拡大」していることは異常といわねばならない。特に25〜34歳層の非正社員が増加していることは社会全体に大きな影を投げかけると思う。
このテーマを企業側に立つか、働く側に立って書くか・・・なかなか難しい。ここでは中立の立場で記述しているつもりである。ともかく、企業は正社員の増員には依然として慎重な姿勢を示しているとの見方もあるが、私の理解の範囲は企業の求めに適合する人材が少ないという現実があると思う。前段に書いた通り企業には優秀な人材は常に不足しているのである。
採用に関する詳細をメモしよう。総務省が四半期ごとにまとめる労働力調査詳細によると、就業者のうち、雇用者(役員を除く)は「5002万人で、前年同期に比べて79万人増加した」しかし、正社員は、増加は僅か7万人に留まっている。
みずほ総研の太田智之シニアエコノミストは「企業が25〜34歳の年齢層で必要としている人材は即戦力だけ」と厳しい。特定の能力のない若者は高齢者や再就職を希望する女性とも競合するだけに、正社員の道は厳しくなるのだ。ともかく、若者は自分を磨かなければならない。企業の水準に適合するだけの、知的水準とコミュケーション能力が必要なのだ。
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