2005年01月12日(水) |
コメの貿易自由化が進むか |
日本の米の総生産量は1340万トンである。(松本米穀精麦(株)のHPから)この数字を踏まえて、世界銀行(本部ワシントン)の報告書を見てみよう。世界銀行は発展途上国の貧困対策として先進国に農産物貿易の自由化促進を求める報告書をまとめた。コメ貿易の自由化で最大の恩恵を受けるのは日本の消費者であると分析している。報告書の試算によると、日本がコメ貿易を完全に自由化した場合、輸入量は年間39万2000トンから218万トンに増え、輸入価格は1トン当たり3098ドル(約32万3000円)から656ドルに下落する。この価額の細部を示してみよう。 現在輸入価額 1トン323千円 (3098ドル×104.3円) 自由化の価額 1トン 69千円 (656ドル×104.3円) 日本の価額 1トン367千円 (60キロ当たり22000と計算) 米貿易が完全自由化になった場合、1トン当たり69000円、60キロ当たりは僅か4140円になるのだ。日本の10キロ当たり3670円(もっと高い米がある)の米が、僅か690円(4140円÷6)になるのである。 よって、コメ貿易を完全に自由化した場合、輸入量は年間「39万2000トンから218万トンに増える」(11日・共同通信)と予測している。この場合の消費者の恩恵と生産者の損失は次ぎの通りである。 消費者の恩恵 年間242億ドル(242億ドル×104円=2520臆円) 生産者の損失 年間192億ドル(192億ドル×104円=2000臆円) 発展途上国に何でも売り込んで途上国が生産する米を買わないとする政策を永久に続けることは出来ないだろう。このような背景を踏まえると、日本の農地は下落の一途を辿ると認識しなければならない。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 癒しの森517 2005年1月12日
大津波の被害:米市民空前寄付の動き
米市民による空前の寄付の動きは、日本の市民にとって癒しの森のテーマにならないかもしれないが、被災地の大衆にとっては大変な癒しの出来事である。「インド洋大津波の被害に対し米国で民間から記録的な額の寄付が集まっている。ハリウッドの有名スターや企業、宗教団体だけでなく、年金に頼る高齢者や子供を含めた一般市民が『自分の出せる範囲』で寄付をしているのが特徴」(1月12日・産経から)なのだ。 民間からの寄付の動きは多くあるが女優・映画監督・製薬大手など空前の寄付支援を表明している。ロイター通信の9日までのまとめによると、米国の個人募金など民間援助は3億2400万ドル(340臆円)の寄付金が集まっているという。ニューヨークの地元紙デーリー・ニューズ社によると、同社の義援金窓口には1日だけで10万3000千ドルが集まり、「今はこれだけしか協力できませんが」「91歳の私にはこれがすべてです」などの手紙とともに10ドル、12ドルといった小額の寄付も送られてきているという。
こうした動きの第一の要因はキリスト教の教えである利他主義に基づく慈善精神があげられる。次に米議会がいち早く津波被害に関した寄付を今月中に行えば税制上の優遇措置を取る法案を成立させたことだろう。ともかく、米社会では個人・法人・慈善団体などの空前の寄付が集まる気配である。
・津波での 苦難の大衆 前にして 何とかしようと アメリカ文化
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