『日々の映像』

2003年12月29日(月) 中国重慶 爆発事故:死者191人に

 人命が軽視される社会体制の国家は、先進7カ国に比べると数10年も遅れていると思う。中国国家安全生産監督管理局によると、「今年1〜10月、炭鉱などで採掘中に7197人(前年同期比1.9%増)が事故死した」(25日・毎日から)というから、信じられない事故率なのである。よって、さすがの中国でも安全よりも生産を優先させる企業体質(個人経営もある)が問題になっていた。
 
 中国重慶の天然ガス田で、ガス噴出による爆発事故が発生し、「この事故による死者は25日までに191人」であるという。しかも死者の大半は、噴出した有毒ガスによるもので「逃げ遅れた付近住民だったことが26日分かった」(同)というからから大変なものである。
 
 身元が確認された182人は、2人の作業員を除き、全員が付近住民だったのだ。その内訳は、10歳以下の子供が39人、60歳以上の高齢者が46人などとなっている。 事故発生時の効果的な警報システムが整っていないことが、住民被害が拡大した要因になったと指摘されている。

 経済発展が続く中国で電力の不足を伝える報道が多い。電力需要の拡大に対し供給が追いつかないのが実情なのだ。少なくとも2006年までは電力不足が続くと見られている。
     


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癒しの森130                      2003年12月29日
   大阪市議会 大平光代さん(38)を助役に選任する   
 
 大阪市議会は26日、ベストセラーになった「だから、あなたも生きぬいて」の著者で弁護士の大平光代さん(38)を助役に選任する人事に賛成多数で同意した。16歳で暴力団組長と結婚。離婚してホステスをしていた時に養父と出会って立ち直り、29歳で司法試験に合格した。私は二年前、娘からこの本「だから、あなたも行きぬいて」を借りて読んだ。最も驚異的なことは、高校・大学を出ていない人が、司法試験に合格したことである。

 私は少々文章を書いている。文章は簡単のようでなかなか難しい。何故か。それは文章を書く側に、人間を捉える明確な信念が必要だからである。大平光代さんは、人間に限りない可能性があることを体現してくれた人である。人間の潜在能力を信じるかどうか、これが人生の分かれ道のように思う。癒しの森48でノーベル賞に輝いた田中耕一さんのニュースに関連して次の短歌を書いた。
  
  ・賞賛に 能力育てる 力あり 潜在力を 信じ立ち往け 

 1997年12月30日の日々の映像で松下幸之助の語録を引用して「人間はダイヤモンドの原石」と題するエッセイを書いた。松下幸之助が辿り着いた人間観は「人間とは繁栄への能力を秘めたなんと素晴らしい存在であろう。あたかも磨けば光るダイヤモンドの原石のようなものだ」(1997年12月のPHPから)であった。大平光代さんは、努力に努力を重ねて、胸中のダイヤモンドを輝かせた人といえる。

  ・人間は 何と素晴らしき 存在か 磨けば光る ダイヤの如し
              (短歌は1997年12月30日の日々の映像から)
     

 



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石田ふたみ