『日々の映像』

2003年12月16日(火) 米軍 フセイン元大統領を拘束 (2)

 米軍・米政権の基本的な考え方を確認する意味で、イラクの連合軍暫定当局(CPA)のブレマー行政官やサンチェス駐留米軍司令官による14日のサダム・フセイン元イラク大統領拘束に関する会見の主な内容を記述して置きたい。

1、われわれは彼(フセイン元大統領)を捕まえた。
2、暴君は捕らわれの身になった。  
3、イラク人にとって歴史的な瞬間だ。おびえる日は過去のものになった。和解の道をたどらなければならない。
4、元大統領拘束によって新しいチャンスが生まれた。皆さんとともにイラクの復興に当たりたい。
5、小さな穴があり、入り口は泥やがれきで覆われていた。穴の深さは6〜8フィート(約1・8〜2・4メートル)で、その底に元大統領は隠れていた。
6、穴は人が1人ほど横たわれる広さで、空気孔により呼吸ができるようになっていた。 
7、元大統領は疲れており、運命に身をゆだねている感じだった。  
8、元大統領の拘束でイラクの人々の和解が始まる。イラクは再生の日を迎える。
9、過去のイラクは終わる。元大統領が再び権力の座に戻ることはない。恐怖政治はもはや起こらない。 
10、イラク国民を攻撃している旧フセイン政権関係者の捜索はやめない。 
11、駐留米軍は任務を達成したら撤収する。それは、イラクに安定と安全をもたらした時だ。(共同通信から)
 
 ブッシュ米大統領は14日、イラクのフセイン元大統領拘束について「かつての独裁者は裁きを受けることになった。イラクの人々はもはや、フセインの支配を恐れることはない。自由に味方した人々の勝利だ」と述べている。

 現在の米政権を理解する意味で12月14日の田中宇の国際ニュース解説の一部を引用したい。『日米など世界のメディアの多くは、ネオコンを「アメリカは民主主義を世界に広げることを国家としての目標にすべきで、世界を民主化するためにアメリカの圧倒的な軍事力を活用すべきだ」と主張する「理想主義者」の集団であるとしている。ネオコンの主張によると、従来のアメリカは世界の安定を重視するあまり、世界各地の独裁政権に対して甘い態度を採る「現実主義者」(中道派)が主導してきたが、その結果、フセインや金正日といった危険な政権がのさばる状態になっている。この悪しき現実を改めて、イラク侵攻を皮切りに世界を民主化するのだ、というのがネオコンの考えで、ブッシュ大統領はこれに感化されてイラク侵攻に踏み切ったとされている』 米国民がこのような考え方をよしとするのかどうかは、来年の大統領選挙を待つしかない。
     


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癒しの森117                           2003年12月16日
          映画 ラスト・サムライ(1)
 
 この映画の報道が多いので、12月11日見に行ってきた。印象・感想を2〜3回に分けて記述したい。この映画の骨格は、ハリウッドが世界に発信する「サムライ・スピリット」なのである。「滅び行く運命を知りながら時代に抗いみずからを貫いた男たち。日本に存在した『最後のサムライ』であることに殉じた男たち・・・」(解説から)そんな男たちの物語が、人々の魂を揺さぶっている。(全文は30290の癒しの森。コピー省略)
 
 ハリウッドが(アメリカ人が)日本のサムライ・スピリットをテーマに据え、真正面から描いているのだ。しかも「武士道への理解の深さは半端でなく、時代考察も日本の時代劇大作の常連だある渡辺謙や真田広之といった俳優人が驚いたほど正確」(解説から)であったという。武士道の精神をこれほど見事に謳い上げた映画を見たのは初めてであった。
 
 その理由はエドワード・ズウィック監督と主演のトム・クルーズの二人がサムライ・スピリットに限りない敬意の念を持っている。トム・クルーズは「サムライの持つ優雅さと美しさ、強さと情、正しいことには命をも投げ出す潔さや忠義を尽くす心に、私はずっと強く惹かれていました」と語っている。日本人が忘れている心の文化を、外国人が深く理解しているのだ。

  ・武士道の 輝く支柱の 義の心 運命知りつつ 散り往く強さ
     

 


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石田ふたみ