| 2003年12月04日(木) |
外交官2人を死亡させた責任は |
体制維持のためには、個人の命などは羽毛のように軽く扱う国家が日本の近くにある。どう考えても悪い国家である。人権をどれだけ重んじるか、人命尊重をどれだけの配慮があるか、これが文化国家のバロメーターであると思う。 イラクは危険として、赤十字、国連の関係者はイラクから撤退したのである。日本の外務省はこの危険を軽視した。この前提に立てば、2人の外交官は日本外交の犠牲者である。哀悼の意味を込めて2人の名前を記述したい。
・奥野克彦参事官 (45) 英国大使館から長期の出張中 ・井ノ上正盛3等書記官(30) アラビア語の専門家。4月にイラクに赴任。 この2人の死亡に対して誰が責任を取るのか。12月2日に書いたがこの死亡を発表した席で川口外務大臣は「イラク復興を支援していくことに全く変わりない、テロリストとの戦いも毅然としてやっていく」と言っている。当り散らす訳ではないが、どう「毅然としてやっていく」のかと言いたい。米軍が10万人以上布陣して毅然と対処しているのに、テロを止めることが出来ないのだ。 川口外相は、武器を持っていない十数名の外交官にどういう訓示を送るのか。「素手でテロリストと毅然と対処せよ」とでも言うのか。川口外相は、泥沼のイラクに無防備な職員を配置していた責任をとって辞任すべきである。間もなく殺害の第2報が届くだろう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 癒しの森106 2003年12月4日 なぜコミュニケーションが保てない(1) 交流のあるヘーゲル国際大学大学院の飯田教授が記述した以下の論文が11月20日に送られてきた。 ・自殺の原因とその予防 ・情緒の発達に関する一考察 ・交流分析(心理療法)からみるウェルビーイング
単純な思考構造しかない私にはなかなか難しい論文である。何かの機会にここで紹介したいと思っている。 飯田教授からの手紙で1998年3月同教授のアドバイスで「なぜコミュニケーションが保てない」と題するエッセイ(日々の映像)を書いたことを思い出した。この日の記述を一部ここで引用したい。
・・飯田国彦氏より『やる気を引き出すマネジメント』という講演を記述したレポートが送られてきた。この内容が実に深い。このレポートの一節を引用したい。『コミュニケーションにおける最大の障害は、性格や思想の違いでなく、人の持つ評価傾向にある』というものである。 私なりに補足すると、妻が自分に身につけている常識で夫を評価し、夫も同じく自分の人生観や常識で妻を評価的態度で接する・・このようにお互いに評価する傾向が強いとコミュニケーションが破壊されていくのである。・・・(1998年3月8日の日々の映像から) 11月16日アインシュタインの言葉「常識とは、18歳以前の心につもりにつもった偏見以上の何物でもない。それから後に出会うどんな新しい考えも、この『常識』の概念と闘わねばならない」を引用して、自分の常識にこだわっている人が余りに多いと書いた。コミュニケーションの破壊は自分の持つ常識で相手を評価する傾向なのだ。この常識が妥当なものかどうかを振り返る心の余裕が必要だと思う。 ・身につけた わが常識に こだわって 評価で接する 人の性(さが)かな
|