『日々の映像』

2003年12月03日(水) H2A6号機、衛星打ち上げ失敗 

 悪夢が再び日本の宇宙開発関係者を襲った。29日午後、鹿児島県の種子島のセンターから飛び立った主力ロケットH2A6号機は、2段ロケットの切り離し失敗という重大なトラブルが発生、地上からの指令で爆破した。
 
 燃焼を終えた下段部や補助ロケットを次々に切り離し、身軽になって上昇を続けるロケットにとって、分離は最も基本的な技術のひとつ。多くは火薬でナットを割るなどの単純な仕組みであるという。分離失敗が関係者に与えた衝撃は大きい。なにしろ、車のタイヤのボルトを締め忘れたような単純なミスであるからだ。

 今回の偵察衛星の開発・製造費は1000億円とされ、打ち上げ費用は100億円(スポニチから)であるというが、宇宙航空研究開発機構から公式な発表があった訳ではない。税金で仕事をしているのに、国民に対する説明が余りにも少ないと思う。

 全長57メートル、自重350トンのH2Aロケットはさまざまな重さのペイロード(主に人工衛星)を別々の軌道に投入できるなど、運用上の柔軟性の高いロケットで、このクラスのロケットとしては世界のトップレベルとされてきた。しかし、タイヤのボルト閉め忘れのような単純ミスは、考えられないことで失った信頼は余りにも大きい。
     


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癒しの森105                          2003年12月3日
           人 土井隆雄さん(3)

 土井さんのインタビューは、周囲の人を笑顔にするだけの輝きがあった。キャスターも一様に満面の笑顔をたたえての質問である。インタビューでの語録を引用したい。「多くの人が宇宙に行くようになれば、やがて新しい文化が生まれてくる」と言っていた。地球の重力から抜け出し宇宙に行くと思考の根本が変わって来るようだ。

 「スペースシャトルに乗って1週間経つと、視覚も味覚も聴覚も地上と全く変わらなくなり、人類は宇宙で暮らせる能力を授かっていることを確信した」という。授かっているとの表現は詩的である。ともかく、果てしない宇宙の夢を語る土井さんの弾む心が素晴らしい。

 「宇宙飛行のクルーの中では、一人優秀な飛行士がいるだけでは何の役にも立ちません。船長を中心に助け合い、励まし合う。宇宙飛行の成功も皆のそうした呼吸を合わせた力があるのです」あらゆる組織、企業、スポーツも目的に向かって呼吸を合わせる力、勢いが勝敗を決する。土井さんの話す内容は、あらゆる社会の核心を突く言葉である。
     
  ・果てしない 宇宙を語る 土井さんの 弾む心が 笑顔を誘う
               
          (文章は1998年1月22日・24日の日々の映像から)
     




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石田ふたみ