『日々の映像』

2003年03月02日(日) 満額回答のゴーンショック                

 それぞれの経営者が異なる判断を下す・・・実にいいことだと思う。日本の社会は、概してある方向に走り出すと、総べての会社が同じ方向に走り出す傾向がある。よって、異なる判断が混在することは、実に良いことだと思う。

 2月10日に記述したが、トヨタはベア要求の見送り、ホンダは定期昇給制度の廃止、日立・東芝・富士通は定昇の圧縮など、大企業のほぼ総べては賃上げ抑制で足並みを揃えだ。ところが、日産のゴーン社長一人が異なる判断を下す。日産自動車の経営側は『ベースアップ1000円と定期昇給相当分6000円、年間ボーナス5、8カ月(組合員平均201万8000円)を労組の要求どおり満額で回答した』(2月27日・毎日から)賃上げを抑制しようとして来た経営者にとっては、満額回答のゴーンショックとなる。

 ゴーン氏は満額解答の理由を「会社と従業員の信頼関係を深め、高いモチベーションで計画達成を目指すため」と説明している。この満額解答は他の労組にもひとつのショックになっている。2月28日の日経で『満額解答のゴーンショックはなぜ?』という特集が組まれていた。いろんな理屈が並べられていたが、ゴーン氏の最大の狙いは企業のイメージアップではなかったかと思う。車を買うのは大衆なのである。

 < 過去  INDEX  未来 >


石田ふたみ