私がヨーロッパの歴史を少々知る動機となったのが、ナポレオンの伝記・ユゴーの小説・トルストイに関する書籍などであった。この地球上で、数百年に渡って断続的に大規模な戦争をしていたのがヨーロッパであろう。ナポレオンの時代から第1次世界大戦、第2次世界大戦と続いたのである。 ユゴーは国境のないヨーロッパを思考していた。第2次世界大戦後50年に渡って続けられてきた欧州統合の歩みは、15カ国通貨「ユーロ」によって歩みだしている。現在のEU15カ国の人口は、3億8000万人だ。 ここにまた新たな壮大な実験が行われることになった。昨年の12月のEU首脳会議は東欧諸国など10ヵ国(ポーランド・ハンガリー・チェコ・スロバキア・スロベニアと旧ソ連の一部だったエストニア・ラトビア・リトアニアなど)の新加盟を正式に決定した。これによって、総勢25カ国、人口4億6000万人のEUが2004年5にスタートする。 庶民の目線で見れば、この25カ国の人々は、共通のユーロを使って、自由に往来し、どこに住み、どこで働いてもかまわないという時代が到来する。まさに壮大で、歴史的なロマンなのである。
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