『日々の映像』

2002年12月27日(金) 恫喝まがいの瀬戸際外交

 北朝鮮が苦し紛れの賭けに出て来たようだ。賭けと見るのは西側の判断で、彼ら北朝鮮にとっては、自分達の思考基準の終着点なのかもしれない。 

 北朝鮮が94年の米朝枠組み合意で凍結が定められていた核施設の封印の大半を一方的に除去すると共に、監視カメラを阻止する措置に出たことが明らかになった。

 この凍結解除の理由は、米国が年間50万トンの重油を提供する義務を放棄したからだといっている。

 北朝鮮にミサイルと大量破壊兵器がなければ、世界有数の最貧国の1つでしかない。「核も生物(兵器)もある」と胸を張って、何を得たいというのだろう。

 北朝鮮当局の思考も理解する意味で、同国の労働新聞の論評の一部を引用しよう。「米国が核兵器を使用する権利を持っているなら、我々にもそれに対応する権利がある。・・・対イラク戦争は新たな朝鮮戦争のための予備戦争、試験戦争になり得る。・・・米国が朝鮮半島で核戦争を起こすなら、彼ら自身がその炎で焼け死ぬだろう」(21日 毎日から)と強調している。

 「彼ら自身がその炎で・・・」とは戦争が始まれば、核でアメリカを攻撃するという意思の表示なのか。こんな恫喝まがいの瀬戸際外交が成功するとでも思っているのだろうか。余りに「理屈の通らぬ愚行の積み重ね」(28日 毎日社説)であるといえる。

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石田ふたみ