『日々の映像』

2002年12月26日(木) 少年の検挙者実に13万人

 日本の社会は、経済を含めて毎年悪くなっている。経済の面で言えば、国の借金の激増である。人心の面で言えば、過去最悪となっている刑法犯の件数(11月現在で昨年比9万9718件増の260万8584件)である。その他の事例を挙げればきりがないほどだ。ここでは刑法犯のボリュームを今年3回目の記述となるが、改めて目を通しておきたい。

 ともかく、前記したとおり11ヶ月で260万件もの刑法犯の認知件数がある。1ヵ月で217000件、1日で7200件もの事件が起きる。この事件の8割(208万件)は窃盗犯であるが、この内30万件が侵入強盗なのである。

 この犯罪急増の要因は、「(1)少年非行(2)外国人犯罪(3)暴力団の暗躍」(20日 毎日)であるという。ここでは心が痛む少年犯罪について少々記述したい。

 今年度の刑法犯で検挙された人数は32万0834人でこの内少年(14歳以上20歳未満)の検挙数は、実に13万人を超えているのだ。特に2ヵ月前にも記述したが、路上強盗の検挙者の約7割が少年なのだ。

 この14歳から20歳未満の少年で、1人で暮らしている人はほとんどいない。すなわち、13万件を超える家庭で少年犯罪者を出している。この現実は深刻かつ重く受け止めなければならない事実だ。

 このような少年犯罪の激増は、深刻な1つの結果である。結果がある以上、家庭を含む社会のいたる所で原因が潜んでいることになる。その中の1部の断面を見ると犯罪者の多くが無職なのである。

職に就けない若者が悪いのか、狭い精神的なキャパシティーしか教えられなかった大人社会が悪いのかなかなか難しい問題だ。

 かなり古くから指摘されている「753現象」に対しても何ら改善の兆候も見られない。

ここでは高卒を例に上げれば就職しても、3年以内に5割が離職してしまう。このような若者の就業環境の根本的な改善が必要なのである。しかし、現実は職場そのものが生存競争の中にある。

 企業の多くは、若者を育てている暇がないのである。誰が1割を超える無業者青少年をリードするのだろう。今年になって検挙された13万人の少年は、正常な社会人になる動機が見つかるだろうか。          

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石田ふたみ