『日々の映像』

2002年12月25日(水) 被害を受けた受刑者はどこへ行けばよいの

 昨日闇金融の被害者はどこへ行けばよいのだろうとの趣旨を書いた。被害を与える相手が民間人であるので警察などの官に飛び込めばなんとかなるだろう。それでは、刑務所で暴力などの人権侵害を受けた場合はどこに行けばよいのだろう。

 私の知る範囲では、このような場合の官の窓口はない。出所後経済的に余裕のある人が弁護士事務所へ行くことになる。98〜02年の5年間に刑務所や拘置所の処遇に関連して人権救済の申し立てがあったのは、「825件」(10日 毎日)もあったという。

 各弁護士会は、この内調査のうえ99件の警告書、勧告書、要望書を刑務所・拘置所宛に送付しただけなのだ。日弁連は「刑務所や拘置所は、弁護士会の調査に非協力的なことが多く、中で何が起きているのか十分把握出来ない。」(同)と説明している。もとより、日弁連に暴力の内容の把握責任などはない。

 前月書いた名古屋刑務所のような暴力事件は他にもある。高松刑務所でも主席矯正処遇官ら20人が受刑者に重傷を負わせたとして告訴されている。背景として理解する必要があるのは、弁護士に依頼して、告訴状を出せるだけの経済的な余裕のある人はまれなのである。
    

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石田ふたみ