『日々の映像』

2002年12月21日(土) 銀行株の下落は底なしか

 大手行を取り巻く環境が厳しさを増している。17日と20日の不良債権に関する記述は銀行の問題なのだ。これら不良債権の処理に伴う金融システムの不安から銀行株の急落に歯止めがかからない。この銀行株の下落は、おおよそ次のパターンである。

 銀行株が急落すると、銀行から融資を受けている過剰債務企業の株価が下落する。それがまた銀行株の下落につながるという「負の連鎖」(18日 読売)に陥っているのである。深刻なのは、大手行そのものが、この負の連鎖を断ち切る方針も対策も全く打ち出せないことだろう。

 銀行と企業の株価の関連を少々引用してみよう。「UFJ銀行が大口株主となっている日商岩井は同四円安の35円、トーメンが同20円安の27円、ニチメンが同8円安の57円」(18日 読売)と軒並み今年の最安値を更新している。「みずほが大口株主の太平洋セメントも15円安の124円と今年の最安値となった。」(同)などなどである。

 太平洋セメントは、今期は増益の中間決算を発表しているのに同社の株はここ1週間で20%も急落しているので、みずほとの関連で売り込まれているとの見方だ。

 いったい、大手行の株価はどこまで下落するのだろう。9月末と比べてUFJが69%、みずほが58%も下落している。深刻なのはこの2行の株価である。額面50円換算ではみずほが119円、UFJが99円というありさまだ。

 他の大手行2行(三菱東京・三井住友)も下落している。両行 共に9月末比で24%〜48%も下落して、今年の最安値を記録している。その昔株のイロハを私に教えてくれた人がいた。「300円以下の株は担保にならない。200円以下の株は倒産予備軍、100円以下の株は時間の問題」などであった。

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石田ふたみ