『日々の映像』

2002年12月18日(水) 企業価値を高めた経営者

 日経のウィークエンド版に、企業価値を失った経営者が出ていた。この調査に参加した機関投資家は顧問契約資産2500億円以上の投資顧問及び投資信託資産500億円以上の43社だ。よって、ここでの評価は、ほぼ正しいものと理解される。

 企業価値を高めたナンバーワンは、カルロス・ゴーン氏だがここで補足するまでもない。あまりイメージになかったのは、ブラザー工業の安井社長だ。「構造不況のミシン事業から成長分野のファックス・プリンター事業への業態転換を短期間で成功させた」とゴーン氏にひけをとらない支持が集っている。ブラザー工業は、今期は最高益になるようで、企業としての進むべき方向が明確だという評価である。

 実は書きたかったのは次のテーマで、企業価値を失った経営者として、機関投資家の得票が最も多かったのは富士通の秋草社長だ。「総合電気では唯一、2期連続で今期も巨額の最終赤字を計上する見通しだ。

 『リストラが中途半端』『経営判断が後手に回っている』などの意見が目立つ」企業価値を失った経営者の1位に選ばれたのだから進退を考える段階のように思う。株価も02年7月ごろの3分の1だ。

 次にNTTドコモの立川社長が、海外投資で巨額の損失を計上して企業価値を失った経営者として名前を連ねている。日本の大企業は銀行を含めて「〇〇で重大な失敗をしたので責任をとって辞任する」という話は聞いたことがない。


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石田ふたみ