2002年11月28日(木) |
日本・米国・中国の中学生の意識 |
11月23日に映画「ハリー・ポッターと秘密の部屋」が全国858ヶ所で一斉に封切られた。国内の全スクリーンの3分の1を占める過去最大規模の上映であるという。「入場者は1日で100万人を数えた」(朝日HPから)という。
しかも、この観客の中心は、中学生である。朝日のHPは、登場人物に扮したファン(中学生)を掲載していた。これからの時代を背負っていく小・中の子供達を育てるのは、社会全体の最大のテーマだ。
1年に2〜3回若者の意識調査のことを記述してきたが、どう考えても日本の社会全体の教育水準が落ちてきていると思う。
一ツ橋文芸教育振興会と日本青少年研究所が昨年10月から今年3月の間に、日本・米国・中国の中学生1000人〜1300人のアンケート調査を見ると、少なからずショックを受ける内容もある。
詳しくは省略するが、自信満々の米国の中学生・高学歴志向が強い中国の中学生、日本の中学生は、授業についていけず、学問への情熱も自信も責任感も乏しいのだ。しかし、このような実態に対して、子供達が批判の対象にされるべきではなく、総べて大人たちの責任なのだ。
この意識調査の中で一番目を引いたのは、自分の評価について満足しているか、と責任に関する問いであり、一覧にすると次のとおりだ。
自分の評価について満足している 米国 中国 日本 53.5% 24.3% 9.4%
自分に起った事は自分の責任と考える 米国 中国 日本 59.7% 46.9% 25.2%
米国の中学生は、自分の評価について、満足していると答えている子供達が半数を超えているのである。日本の中学生わずか9.4%という数字を見ると、いかにアメリカの教育機関が子供達それぞれに自信を与える教育をしているかが分かる。 次の責任に関しては、ここで補足するまでもない。
その他のデーターを少々引用してみる。日本の中学生は、数学の授業の理解度では「ほとんど理解できない」「少しは理解で来る」の計が35.4%で米中の3倍なのである。
米中は10人に1人が授業についていけないが、日本では3人に1人の割合だ。3人に1人が分からないのにこの子らを無視して授業を進めていく・・・分からない子供達達にとっては教室そのものが残酷な空間と言えないだろうか。
理解できない子供たちを3分の1も放置しておくこと自体が大問題であると思う。教師の子供に対する慈しみの心が希薄になってきたことが原因しているように思う。
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