2002年11月25日(月) |
イラン改革派学者に死刑 |
中東の中で、16・7世紀のヨーロッパ社会を連想させるような国がある。イスラム教を汚したとして、イランの改革派学者(ハシェム・アガジャリ氏)に死刑判決が出たことが大きく報じられていた。
同氏は、「イスラム教徒は、高位聖職者の教えに盲目的に従う猿ではない」(11月11日 産経)などと発言し、イランの社会・政治改革を主張したために今年8月に逮捕され、同国西部ハマダン裁判所が死刑の判決を下したものだ。この国は、イスラム教の聖職者が、裁判権など重要な国政に深く関与しているのだ。 それにしても、イスラム教を汚した、批判したというだけで死刑の判決を下すのだから、16・7世紀のヨーロッパの宗教裁判と同じだ。
キリスト教の宗教裁判で最も有名なのは、地動説だ。コペルニクスを起点とする地動説に対して、当時のキリスト教は天動説の立場だ。コペルニクスは地動説に確信を持つだけのデーターがあったが、キリスト教の弾圧を恐れて晩年まで言い出さなかった。
その後何代か下の後継者であるガリレオは、地動説を唱えたため「火あぶり」で処刑された。イランは400年前と同じことをしようとしている。独裁者・国王・聖職者が実質的に国家支配している国はろくなことがない。
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