2002年10月16日(水) |
24年ぶりに祖国に帰国 |
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)という国家の鉄の扉が少し開いた。そこに拉致された生存者が5人いた。そして、昨日24年ぶりに故国の土を踏み、家族と劇的な再会を果たした。昨日の羽田での再会のドラマを日本人のほとんどが、さまざまな思いで凝視した。
「拉致」なんという暴力的な言葉だ。今回の拉致は北朝鮮による日本の主権の侵害であり、本来は再発防止のために交渉を行なうなどと言うレベルの問題ではないのだ。今回帰国した5人は、拉致された人達の中では、生き残る事が出来たのだから幸運の人たちだ。それでも表情に刻まれた雰囲気から、彼ら、彼女たちの人生がいかに過酷で苦悩に満ちたものであったか明らかだ。
都内のホテルで、曽我ひとみさん(43歳)はにこりともせず「とても会いたかったです」の一言は実に重い響きがあった。日本の一時帰国のニュースは、韓国各紙が大きく報道していた。韓国人の拉致被害者は「今も486人」(10月15日 読売から)もいるのだ。北朝鮮当局は北の地で「うめき声さえ上げられない」(10月15日 朝鮮日報社説から)韓国人被害者をどうしようというのだ。
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