『日々の映像』

2002年08月10日(土) 日本ハムも牛肉偽装

 8月8日の全国紙のトップニュースは、「日本ハムも牛肉偽装」「無断焼却1.3トン輸入肉混入」「農林省、告発へ」(毎日)であった。

 日本ハムは「02年3月期も連結売上高前年比3.8%増の9450億円に伸ばし、最終損益でも170億円の黒字を確保した」(同)とある。ただ、この売上の64%の6000億円余りが食肉部門の売上なのである。ここに偽装があったというから、ただならぬ動きとなってこよう。

 消費者は産地の偽装などを含めて、このテーマにうんざりしている。よって、この事件発表当日の7日で、流通業界の製品撤去の動きが始まった。翌日になるとイオングループで、日本ハムの食肉の撤廃を始めた。あと2・3日で日本ハムの製品は、スーパー・コンビニなどから姿を消すのではないだろうか。

 日本ハムのシェアは、ハム・ソーセージで20%・食肉で10%と伝えられている。シェアが大きくブランドイメージが高かっただけ、その反動もまた凄まじいものとなるだろう。

 日本ハムの大杜啓二社長の「子会社の問題」との的外れの発言は「無責任な発言ぶり」と批判が集まる。この際批判などはどうでもよい。この一件で消費者、流通業、株式市場がどのような反応を示すかである。

 この事件が発表されてから、日本ハムの株価は、2日連続のストップ安である。8日現在で1233万株(時価1000円にすると123億円)の売り注文が残っている。買い手がないままストップ安が続くのでないか。

 7月5日アメリカのワールドコムの関係で信頼が崩れる恐ろしさを記述した。消費者の信頼が崩れた日本ハムに、どのようなイバラの道が待っているのか。

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石田ふたみ