『日々の映像』

2002年07月20日(土) 中国産野菜輸入中止・縮小の流れ

 日本の食品各社は、残留農薬を警戒して、中国野菜の輸入中止または縮小の方向に進むようだ。「中国産野菜の安全性確認は困難とみて調達を見合わせる」(7月13日 日経)処が続出している。7月13日の日経から少々取り上げてみると、

1、味の素冷凍食品は今月から中国で原料を調達し生産していた冷凍野菜6品目の取扱を止めた。冷凍ホウレンソウの取扱も中止。

1、ニチロも冷凍ホウレンソウに加え・・・インゲンなどの輸入取り止めの準備を始めた。

1、ヱスビーは香辛料などに使用する野菜を中国から他の国に切り替える。などなどである。

 要は、現地指導をしても、基準以上の残留農薬が常に検出されるようでは、消費者に受け入れられないと判断するに至っている。

 味の素冷凍食品は「農薬分析器を購入して検査体制を強化。中国の委託農場に対する指導を強め、安全性を確認できた製品に限り取り扱いを再開する方針」(7月13日 日経から)

 「年間数億円」(同)も中国産野菜を取り扱ってきた味の素冷凍食品が今ごろになって「農薬分析器を購入する」ということは、今まで自社で残留農薬を検査しないまま消費者に流していたことになる。これでは、中国の病根のいい加減さと同じだ。
 
 もっとも、これらのことに詳しい人に言わせれば、大手スーパーは総べて自社で残留農薬の検査が出来るという。「冷凍ホウレンソウに基準を超える農薬があることは知りながら消費者に流してきたのだ」と批判していた。大手スーパーも食の安全を考えないで営利第一主義で動いていると疑われている。

 中国は共産党革命成立して以来、国を挙げて社会のいたるところに潜む「馬馬虎虎(マーマーフーフー・・・ごまかしを含むいい加減さ)と戦って来た。5ヶ月前ほどであったか、魯迅(1881〜1936)の長兄(魯迅研究所)が毎日新聞に長文の随筆を寄せていた。この中で、中国社会に染み込んだ馬馬虎虎の土壌を解決するには、あと50年、100年の歳月が必要だと述べていた。

 中国の農村社会に1つの情報を秩序正しく徹底するのは難しいのである。6月29日「日本への輸出もやがて、ブレーキがかけられるだろう」と書いた。ブレーキどころか、冷凍野菜の35万トンの輸入に急ブレーキがかかるようだ。

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石田ふたみ