『日々の映像』

2002年07月12日(金) 田中知事の不信任

 前代未聞の混乱劇がスタートした。なにしろ県民が選んだ田中康夫・長野県知事が、県民から選ばれた県議会議員が不信任を突き付けて可決したのである。無党派の宮城の浅野知事は「驚いた。理解を超え聞いたことがない。罪を犯したなら別だが、政策の対立での不信任は尋常ではない」と指摘していたが、これが常識的な捉え方のように思う。

 日本の首相は、国会議員が選ぶ議院内閣制であるので、首相の不信任が可決されて解散か内閣の総辞職が行なわれることは理解出来る。しかし、田中知事の場合は長野県民が直接選出したのである。

 この知事を県議会が不信任を可決して知事が失職する今回の事態は、明らかに地方自治法の制度的な欠陥があるといえる。もっとも、田中知事のように、議会の支持が得られない知事が誕生するなどは、法律では想定されていなかったのだ。

 田中知事は失職して再出場の意向であると伝えられている。田中知事が再当選したら不信任を可決した7割強の県会議員の皆さんはどうけじめをつけるのだろう。

 田中知事を酷評するのは「主に県議や各種団体の幹部」(7月6日 毎日)であるという。であれば、県民の目からは既得権益層との軋轢と映る。新聞の予測によると、知事の再選の可能性は高い。けんかを売った県議会と知事との泥沼対立で何が生まれるのだろう。

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石田ふたみ