『日々の映像』

2002年07月04日(木) 南北警備艇が銃撃戦      

 1つの出来事は、見る人(国)によっては讃嘆、見る人(国)によっては脅威に映る。この傾向を絵にしたような事件が6月29日に起こった。韓国チームの最終戦となる3位決定戦にタイミングを合わせたように、韓国と北朝鮮艦艇の銃撃戦が起きた。

 次の見方、捉え方が妥当だろうと思った。「北朝鮮の指導者は、韓国は国力があるが国論が分裂しており、北朝鮮にとって脅威ではないと主張してきた。しかし、W杯で韓国の内部対立は影を潜めた。北朝鮮住民にとって、韓国の結束は大変な脅威と映る可能性がある。・・・W杯の成功に『冷水』を浴びせようと考えたのではないだろうか」(6月30日 毎日 小此木慶応大教授談から)

 北朝鮮は、金正日(キム・ジョンイル)を民族の指導者としている。しかし、「W杯の成功に対して、祝福のメッセージを送ってこない」(同)ようでは、民族の指導者などと言えるだろうか。むしろ前記したように、W杯の成功に対して北朝鮮指導部は、予想を超える脅威と捉えたのだと思う。

 日々の映像は、社会の出来事をどのような眼で捉えるのが妥当であるか、この問いに対する見解の1つを提供している。
 

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石田ふたみ