| 2002年07月03日(水) |
ストックオプション対象拡大の動き |
ストックオプション(自社株購入権)を与える企業が激増している。「過去一年間にストックオプション導入を発表した上場企業は550社」(7月1日 日経)なかでも表のとおり、外部のデザイナー、コンサルタント、取引先の取締役、社員、社外協力者、研究者などにも幅広く門戸を広げている。商法改定でストックオプションの対象制限がなくなったためであるが、この動きをどう受け止めればよいのだろう。
ワールドは6月27日株主総会で、店頭の販売員や社外のデザイナーにもストックオプションを与える事を決めた。「アパレル業界では売り場の顧客対応が売上を大きく左右する。接客の最前線で親会社の業績を常に意識してもらう狙いだ」(同)流動化する人材の企業への帰属意識を強めてもらう目的があるようだ。 同社は外部に委託しているデザイナーにもストックオプションを与える。これは前記と同じく会社との一体感を高めることを目的としている。
極めつけは、就職予定者にストックオプションを与える企業まで登場している。「企業向けシステムを構築する過程や携帯電話向けソフト開発のACCESSは、就職予定者にストックオプションを与える。優秀な人材を確保するのに役立てる」という。 以前は、企業が人を使用する場合は、給料という形で現金の支給がほとんどであった。最近のこの動きは、従来の現金による支払いとストックオプションを併用する動きが広がっているのだ。これを受ける側にとっては、企業の業績が向上し、株価が上昇すると大きな差益が生まれる。
大局的な見方をすれば、企業の栄と関係する社員・外部の協力者の繁栄を一致させようという流れと理解するのが妥当のように思われる。
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