『日々の映像』

2002年07月01日(月) 熱闘1ヶ月W杯終る

 日本・韓国、そして、世界を熱狂的に包んだワールドカップが終わった。日本のそこかしこにサッカーボールを追う子供達が多く見られた。日韓共催の祭典は両国にとって計り知れないプラスの側面が生まれた。

 サッカーは、重さ450グラムのボールを枠内に入れるだけだ。このボールの行方にサポーターは熱狂する。韓国の国民を挙げての熱狂的な応援、歓声の渦はなんなのだろう。
 
 「応援は国名をひたすら連呼する・・・観衆はゲームの勝利を国家の勝利と受け止める」(7月1日毎日)とあるように、戦う11名の選手は国の代表なのだ。その背景にナショナリズムがある。

 韓国人サポーターは言う「韓国人であることを誇りに思う」と。1つのスポーツが、これほど国民の心を結ぶのだから大変なものだ。

 日本人の多くは、本物のサッカーの興奮を初めて知った。決勝トーナメントの進出でこの世界的なイベントに初めて加わった感じがした。1点を入れる、これ自体が歓喜なのだ。ブラジルでは、歓喜と熱気が幾日も続いたことだろう。

 多くのスーパースターが登場した。その1人はブラジルに惜敗したイングランドのベッカムだ。端正な顔立ちで日本の女性ファンの心を捉えた。まさに、貴公子と言える存在だった。

 次に強烈な印象を残したのは、ドイツのカーンだった。鋭い眼光、研ぎ澄ました集中力、まさにドイツチームを守る鬼神のようだった。彼は「ブラジルは偉大なチームだ。しかし、頂点に立つためには、私を倒さなければならない」とゲルマン魂を体現していた。

 この守りの鬼神もロナウドによって倒された。力尽きて敗れたとはいえ、カーンの姿は全世界に感動を与えた、ロナウドとカーンの対決で熱闘の幕が降りた。

 もう1人の奇跡の人を称えよう。ドイツとの戦いが終わって、ワールドカップを高く掲げたカフー(32)だ。

 「カフーはW杯決勝のピッチに立ったのは3大大会連続だ。決勝戦を3度も出場した選手は17回の歴史を数えるW杯では初めて」という前人未踏の大記録を達成した。カフーの神話が生まれた。ワールドカップを高く掲げた時の素晴らしい笑顔。この笑顔でブラジルの人たちは、歓喜に包まれたことだろう。

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石田ふたみ