5月末に発表された大手銀行の不良債権の残高は大変なものだ。スペースがなくて5月に記述しなかったが、記憶に残すデーターだと思いここに引用した。
なにしろ、今期8兆円の不良債権の処理をして、なお不良の残高が47,4%も増えたのだ。まさに、時代の激変に伴う濁流が銀行に押し寄せているようだ。銀行を批判する論調もあるが、5月30日に記述したように、6大都市の商業地が85%も値下がりしているのだからどうにもならない。
私がここでくどくどと書く必要は全くないが、土地または物(ビルなど)に価値を求める時代は完全に終わったことを意味している。思考の根底を変えなければならない時代だ。ある地方の個人企業が倒産した。この倒産処理のために、代表が保有していた杉を植樹してある山林を売却しようとしたが買い手が全くつかない。
このような現象は農地にもある。農協が担保に取っている農地を換金しようとしても、希望した価格ではほとんど買い手が付かない状況だ。過日ある農協職員の嘆きを聞いた。西蒲原の平野部でもすでに、1反歩100万円割り込まないと買い手がないところがある。土地に関しては、商業地・農地・山林の区別なく暴落の現実が広がっている。 ◇ ◇ ◇ ◇
6月17日と26日に食品添加物の事を書いた。この添加物の膨大な数をメモ。
指定添加物 339種類 この内海外で認められているのは、6月17日のとお 既存添加物 489種類 り294種類。残り500種類は認められていない。 天然香料 600種類 ・・・植物から取り出して作った香料 飲食添加物 100種類 (6月20日 日経から)
この添加物について少々補足すると、指定添加物とは「毒性試験によって国が安全性を確認した」(6月20日 日経から)ものである。しかし、特定非営利法人の日本子孫基金は「サッカリンナトリウムや着色料の食用赤色2号は『発ガン性が確認されている』として、最も危険度が高い『極力避けるもの』」の中に入れている。
この食品添加物に関して、3年ほど前に「買ってはいけない」という本がベストセラーになった。そして、今回の製品の回収の騒動で消費者の「脱添加物」の動きが広がりそうだ。
加工食品を供給している企業の例から見ると、添加物1つで破綻に追い込まれる事例も出て来ることになる。内閣府が5月に実施した「食品表示に関する消費者の意識調査」によると「添加物表示を見て食品を選ぶ消費者は全体の83%に達した。」という。
これらの背景から添加物を一切使用しない食材の宅配事業を展開するオイシックス(東京都品川区)では「同社のメールマガジン購入者がこの半年で1.5倍の15万人に達した」(同)などの動きがある。
大手スーパーでも保存料・着色料を極力使用しない自社開発商品の供給も盛んになってきた。少なくともこの食品添加物が動機となって、消費動向が劇的に変わる可能性がある。 ◇ ◇ ◇ ◇
ある情報を短い文章でまとめることは案外と難しい。6月14日に書いた森のヒラメのことは、2ページにまとめたのであるが、やや焦点が広がりすぎたと思い1ページにカットした。
この森のヒラメに関する背景を私の記憶に残す意味で多少加筆して置きたい。ヒラメの養殖で三菱商事が進めている技術の根幹は、バクテリアでアメリカのバテル記念研究所発のものだ。三菱商事は、このバテル記念研究所の技術を日本に300件も紹介したという。
5月27日始まった日経の産業力・知の攻防は6月14日に終った。最後を飾ったのは、米バテル記念研究所社長のカール・コート社長であった。同研究所は7500人の研究者を擁する世界最大の独立系研究機関だ。
カール・コート社長は「意義のある新技術を開発するには、1人の研究者が持つ知を他の研究者のそれとぶつけ合うことだ」と異才の融合の重要性を強調していた。
そして、どんな研究でも市場を知らなければならないとして、「バテル研究所が市場調査や販売、物流綱の構築で三菱商事と広く提携したのは、自ら市場音痴であることを自覚したからだ」(日経)という。バテル研究所も市場を知るパートナーが必要だったのだ。
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