『日々の映像』

2002年06月03日(月) ゲーム商戦

 新聞に目を通すと、時代遅れの人間が社会を眺めていると思うことがある。5月31日の日経でゲーム大手の業績が表のとおり報道されていた。ここで引用するまでもないが「ゲーム機とソフトを併せ持つ2大メーカーの収益拡大が鮮明になって来た。」とあるように任天堂とソニーそれぞれ高収益の体制となっている。それにしても、任天堂・コナミ・セガ・ナムコ・カブコン・ソニーのゲーム部門の6社の売上を合計すると2兆2000億円にもなる。この内、海外の売上高が「74%」だ。生活必需品でないゲーム機とソフトでこれだけの売上があるのだから驚くのみである。
この数字を見て、3年前に記述した日本の米の総出荷額と比較してみることにした。

・米の総産出額(農家の売上) 2兆5400億円  (99年11月4日記述)
・セメントの売上             5900億円  (02年5月11日記述)
・ゲーム大手の売上       2兆2000億円  

 米は食の絶対の必需品である。同じくセメントも産業基盤を作る絶対の必需品である。一方、ゲーム機とソフトは、娯楽の世界であり生活の必需品ではない。しかし、この売上をみると、ゲーム大手6社の売上が、日本の農家の米の売上とほぼ同じ水準なのだ。しかも、この売上は更に上昇していく気配である。

 「ソニーのゲーム部門は、ハード・ソフトとも躍進してPS2の出荷台数は1807万台と前の期からほぼ倍増」(5月31日 日経から)している。このPS2の普及が更にソフトの販売本数の増加が見込めるのである。上記のゲーム大手6社の02年3月の売上は、前年比で20%から52%増加している。(セガだけマイナス15%)03年3月は、この売上がどれだけ上昇するのだろう。

 若い夫婦で夫が、このゲームに夢中になって夫婦の会話がほとんどないなどの話も聞くこともある。韓国で先行しているオンラインゲームになると、相手がいるので途中で止めることが出来ない。このゲーム機の爆発的な普及は、社会にどのような影響を与えていくのだろう。少なくとも、人の成長にとってプラスの側面は皆無のように思えてならない。

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石田ふたみ