| 2002年05月26日(日) |
社会の風景をどう眺める |
社会をどう見るかは大事なテーマであると思う。ブッシュ政権の政策を支えるシンクタンクのトップであるハトソン研究所所長のハーバート・ロントン氏(ニューヨーク大学教授)が「超大国日本は必ず甦る」と言う本を著した。同氏の少々のリポートが5月13日付けのプレジデントに掲載されていた。日本の社会の風景を眺める視点になると思い少々引用してみた。
先ず、ニュースの根幹について「経営者を含めて、日本人は同じ新聞を読み、同じニュースを聞き、繰り返し日本はダメだという否定的な情報ばかり頭に入れている。ニューヨークから東京まで無事飛行機が飛んだことはニュースにならないが、途中で墜落すればニュースになる。ニュースとは、そういうものなのだ。報道されている内容だけで、日本はもう終わりだというのは間違っていると私は思う。」
常々思うことであるが、日本のマスコミは、社会の負の面のみを大々的に報道するように思う。ある企業が2000人リストラを発表すれば大きな記事として扱われるが、2000人の新規採用計画となるとその記事の扱いは小さい。たとえば、ホンダが販売店を1年半余り300ヵ所増やして、営業担当者を2000人増やすなどの記事は扱いが小さいので分からない人も多いと思う。
複写機業界のシステムエンジニアの大幅な増員計画(5月22日記述)なども大きなニュースであると思うが、このような好ましいと思われるニュースはその扱いが小さい。よって、コントン教授が指摘するように、新聞などに溢れている否定的な情報ばかりが頭に入るように思う。
同教授は「今の日本人の悲観論のほうが病的にさえ見える」と指摘している。私が知っている範囲でも自動車の技術力はアメリカを圧しているし、デジタルカメラ・複写機・胃カメラなどは、日本の技術が世界を席捲している。同教授は、「ナノテク・ロボット・そしてバイオなどの分野では、日本は世界をリードしている」たしかに、ホンダ・ソニーのようなロボットは、コンピューターが最も進んだアメリカで開発されていない。
もう少し引用しよう。「日本は、アルツハイマー症、老人性痴呆症など特定の分野の研究ではアメリカよりむしろ進んでいる。日本は、ゲノム研究の先進国でもある。不良債権だとか、日経平均がいくら落ちたとかいうことばかりに執着せず、こうした『事実』に日本人はもっと目を向けるべきだ」としている。5月13日日経に報道されていたが、アメリカでは脳の萎縮が原因となるアルツハイマー型の痴呆症患者が400万人もいる。この治療薬として最も活躍しているのがエーザイが開発した「アリセプト」という薬だ。
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