| 2002年05月16日(木) |
雪印食品元幹部5人の逮捕 |
雪印食品が輸入肉を偽装し、国の狂牛病対策の買い上げ制度を利用して、1億9600万円を受け取った問題は、この代金を返済したものの刑事事件に発展した。「警視庁の合同捜査本部は、元本社営業調達部長(懲戒解雇)ら同社元幹部5人と詐欺容疑で逮捕した」(5月11日 毎日)
今回逮捕された5人全員が会社から懲戒解雇されている。逮捕された5人は、「会社の利益のために偽装したのだろう」(同)しかし、この不正が発覚してからわずか3ヵ月の4月末に年商900億円の上場企業が解散に追い込まれた。この雪印食品の事件は、社会の倫理より会社の論理を優先した見本を示したといえよう。
それにしても、「今回の牛肉偽装問題を機にうそつき食品が次々と表面化した」(同)と言う説明を引用するまでもなく、不正な表示が数え切れないほど報道された。外国産の鶏肉、白豚を黒豚に、別の産地の牛を松坂牛などなどである。これら一連の事件は、日本の企業のモラルハザード(倫理観の欠如)だけが原因なのだろうか。食品にウソの表示をしたとして逮捕者が出たなどの報道はない。食品表示違反に対する罰則規定がないに等しいのである。
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