『日々の映像』

2002年05月03日(金) 離党・辞任のドミノ、井上前議長辞任

 政治家と秘書の問題は、立法府の長を務めていた人物の議長辞職まで発展した。「1国会中に3人が引責辞職するのも前代未聞の出来事だ」(5月3日 毎日から)とあるが、この引責辞職ドミノはまだ終わったわけではない。1日に公設秘書が逮捕された鈴木宗男衆院議員もいよいよがけっぷちに追い込まれたといえよう。

 5月3日の毎日で、四面に渡ってこの事件の内容が報道されていた。落札価格7億7700万円の下請けに入る口利きビジネスで、井上議員の半田好雄秘書が6400万円も新東建設から受け取ったと言うから驚きの限りだ。「12億の5%、6000万円を熊谷組側に、6400万円を半田秘書に渡しても事実上の元受けになれば、十分に利益が上がると思った」と新東建設の社長は証言している。しかし、実際の予算は8億円余りで、熊谷組が前記したとおり、7億7700万円で落札した。この工事で口利きをした半田秘書に6400万円を渡せば、新東建設は破産(昨年8月に破産)しても不思議でない。

 この事件は、井上元議長の議員辞職だけで終わらない雲行きである。井上元議長は「秘書がうそをついていた」「秘書の個人的な犯罪。私ももちろん、他の秘書も一切関係ない」といっている。しかし、新東建設の社長に井上前議長が「協力してくれてありがとう」(5月3日 日経から)と礼を言われたとしている。これが裏付けられれば、前議長の関与となり事件はどのような方向に進むのだろう。
 
 時代は議員の威光をバックにした不正を許さない方向に動いていると思う。決め手になっているのは、関係者の告発が週刊誌・新聞に報道されることだ。今回も中村元社長は「(政策秘書から)入札前に『この工事はオヤジ(井上議長)が仕切る。受注したければ12億円の工事なので五%をバックして欲しい』ともちかけられた」と証言している。

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石田ふたみ