『日々の映像』

2000年05月02日(火) 小渕元首相2時間のためらい

 危機管理体制という言葉がある。これは主に、国家・企業などが危険にさらされた時にどう対応するかなどを定めたものである。
 
 個人の健康にも危険に対する定めを決めておく必要がある。このことを特に強く印象付けたのが、小渕元首相の脳梗塞での緊急入院である。小渕元首相の様態が悪化した理由などが5月2日の毎日で詳細に報道されていた。「前首相が前日の1日午後11時前に体の不調を訴えていたのに往診した医師の説得にためらうなど入院まで2時間余りかかっていたことが判明した」という。このためらいの2時間が前首相の容態を悪化させる原因になったようだ。
 
 脳梗塞は発症から2時間くらいまでに脳の血管に詰まった血栓を溶かす血栓溶解剤を使った治療を施せば、効果があるとされている。前首相の場合は、1日午後11時に体調の不良を訴え、結果的に順天堂病院に到着したのが2日の午前1持20分ごろになってしまったのである。「前首相側の話などを基に医師側は発症から2時間以上経過していると判断、血栓溶解剤の使用もあきらめ、血を固まりにくくする別の薬を投与した」という。

 脳血栓とは、脳の血管が詰り、意識に障害が出たり、体の不自由が利かなくなる病気である。具体的には手の麻痺、言語がおかしい時、2時間以内に脳神経外科に連れて行く必要がある。これにはあらかじめ入院させる病院を決めておくなどしないと難しいことである。事業所の事務所には、必ず、緊急時の連絡体制の表示を揚げておく必要があると思う。

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石田ふたみ