『日々の映像』

2000年04月23日(日) 納豆が脳梗塞を防ぐ  (3号に引用)

小渕前首相が脳梗塞で入院してから3週間余り経過した。小渕ファンでなくとも病気の行方を心配している国民は少なくないと思う。ここで少々不思議な現象がある。それは、小渕首相の病状について、医師団からの発表がないことである。この発表がないことに批判の論調もあるが、発表できない程深刻な症状なのだろう。「首相が脳内出血を起こし、昏睡状態にあり、人工呼吸器を付けているという発表だった。これは、脳出血によって、脳圧が高まり、呼吸中枢に携わる脳幹が歪み『脳ヘルニア』を起こしている可能性を示唆したものだ。脳幹が歪んで細胞が死ぬと自発呼吸が出来ず、やがて心停止に至る」(プレジデント5/1号)この医学的な推論によれば、人工呼吸器を付けていても2〜3週間程度で死に至るというものだ。小渕前首相は、すでに、人工呼吸器を付けたと発表されてから3週間余り経過している。まだ62歳と若い小渕氏は、現代医学の粋を集めた集中治療室で死線をさまよっているのだろうか。

小渕前首相が激務の中で、脳梗塞になったことは、「ストレス性循環器障害の〕怖さがクローズアップされた」(4/19日経)との指摘どうりだと思う。これは激しい競争にさらされているビジネスマン・家族にとっても他人事ではない。脳梗塞の危険因子は、血栓(血の塊)・高血圧・高脂血症・糖尿病などである。ここでは血栓を溶かすといわれる納豆の威力を記述しよう。

 98年6月6日納豆の威力と題して、この納豆の中に含まれている酵素のことを記述した。この酵素(SDD・・・スーパーオキシドジムターゼ)が活性酸素を分解するという。活性酸素は老化を引き起こす根本原因である。よって、この活性酸素の害を抑制する納豆を常食する人は、老化のテンポが遅いといえる。(98年6/6記述)
 
 納豆は活性酸素の害を防ぐだけでなく、脳梗塞の原因である血栓(血液の塊)を溶かす作用があるようだ。少々長いが、福山市短大の鈴木教授の説明を引用すると「納豆はネバネバしたものが出来ます。これは多糖類で、『ナットウキナーゼ』という物質が含まれています。このナットウキナーゼには、血栓を溶かす作用があります。この効果は、血栓予防薬の『ウロキナーゼ』より強く、しかも長続きすることが分かっています」と。すなわち、血栓予防薬「ウロキナーゼ」より、納豆そのものが効果があると指摘している。更に、「このナットウキナーゼを納豆から取り出したものを血栓症の治療に使うようになりました。そして、血栓が血管に詰まることによって起きる脳梗塞や心臓発作の防止に役立っている」という。

 毎月のように食薬一体であるとの視点で、食のことを取上げている。西洋型のカロリーの多い食事が、コレステロールや中性脂肪を増やす原因であることは広く知られている。もっと、日本の伝統食を見直し、食卓に取り戻すべきではないだろうか。納豆を常食している人は、食べない人と比べて脳梗塞になる確率が大幅に低下するようだ。

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石田ふたみ