『日々の映像』

1997年03月03日(月) 地殻は動く

2日、イラン西部で、M5・5(?)の地震があった。
死者554人、負傷者2400人、家を失った人35000人、現地は雪崩などで道路が寸断され、犠牲者は更に増える見通し(2/3 日報他)とのことである。 この日より、伊豆半島に群発地震が続いているが、日本では、2年前の阪神淡路大震災より大きな地震は起こっていない。

1月17日の短歌で、「地球の方に未知多し」と綴ったが、多少地質学の本に芽を通す機会があったので、母なる大地である地球の神秘に心惹かれることがある。
地球の表面は、平均30キロメートルの地殻(主に岩石)に覆われているが、内部は、マントルであることが広く知られている。

この地殻30キロメートルは、厚いようであるが、地球直径の0.0024%の深度であり、地球を仮に1メートルの球形とすると、地殻の厚みは2.4ミリしかないのである。 地球の直径12600キロメートルからすると地殻の厚みは、わずか0,0024しか当らない。 地殻は、卵の殻みたいに薄いのである。
(参考文献 日本の地質と地理)

・ 知り行くと 詩情を誘う この地球 宇宙に浮かぶ 青きいのちよ

 大地を見て「動かざること 大地の如く」というわけにはいかないのである。プレートの力で、絶えず移動と隆起等が続いている。 隆起一つとっても千年に10センチの単位であり、おおよそ80年単位しか生きない人類にとっては、地球は常に優しく変動するという感じである。 この移動の過程で、エネルギーが余れば地震となって現れるのは止むを得ない。優しい地球も時には怒る(地震)時もある。
  
・ 優しくも 母なる地球に 怒りあり 

 「地震は忘れた頃にやって来る」と言う言葉があるが、地球の直径からすれば、卵の殻のような厚みの所で、私たちは住んでいるのであるから、必ず、“動く”と言う前提でいるべきである。 「備えあれば憂いなし」という諺があるが、この地震に対しては、人生のトータルのリスクとして、明確に位置づける必要がある。

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石田ふたみ