『日々の映像』

1997年02月06日(木) 横田めぐみさん いま何処

 20年前新潟で行方不明になった横田めぐみさん(当時中学1年生)が北朝鮮に「拉致されていた」という衝撃的なニュースが日本列島を駆け巡った。現在神奈川に住む母は、この残酷な情報をどんな思いで聞いたことであろう。
 世の中には醜い行為をする人間がいるものである。横田めぐみさんが行方不明になった後「めぐみという名前の付いている腐乱死体があった」等と、この母に電話をする人があったという。(2月5日・日報から)懊悩の日々を送っている悲しみの母に、何故このような電話をする必要があるのか。まさに醜悪・醜行の極みである。人の不幸に追い討ちをかける人は、どんな顔をしているのだ。人面獣心という言葉があるが、このような人に当てはまる言葉だ。いや、獣は、生きるために他の動物を食とするが、それ以上のことはしない。してみるとこのように「腐乱死体があった」などと人の心を踏みにじる行為をする人は犬畜生のも劣る。
 めぐみさんの母は、どれだけ捜したことであろう。この印象を短歌で綴りたい。

 ・この母は、もしやもしやと 海岸で 漂着物を 探し尋ねん
 ・母の髪 1年1年 白くなり 心の深手は 癒えることなし

北朝鮮は、何の目的で中学1年生の女の子を拉致したのだろう。残酷の極致である。めぐみさんの他に、1978年夏まるで神隠しにあったようにアベックの蒸発が相次いでいる。これも北朝鮮の拉致の疑いが濃厚なのである。
 
 ・権力が 目的あって 動く時 人権などは 欠片もあらじ

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石田ふたみ