1996年01月18日(木) |
021、ハイパーインフレメモ |
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群馬大学の山田教授は、次のように指摘しています。(『群馬評論』97号、群馬評論社、2004年1月)
『ところが、一国の中央銀行が国債の発行に関係してくると、事態は一変する。なぜなら、中央銀行(日本銀行・日銀)は、発券銀行であり、その国で使用されるマネーを供給している機関だからである。だから、日本銀行を国債の消化機関にしてしまうと、時の政府は、ほとんど無制限に国債を増発することができる。日銀は、わが国の中央銀行として、政府の発行する国債をいくらでも買い取り、その買い取った金額を財政資金として、政府にマネーを供給する。その結果、国債残高は、巨額化し、時に天文学的な金額になり、国民の税負担も無制限に増大する。』
『注目されるのは、「ハイパーインフレ」、「物価上昇」によって、実質的な政府債務を洗い流してしまうやり方がよく見られることである。つまり、国家債務の洗い流しを意図したインフレ政策で、物価を10倍にあげたとすると、政府債務の数字上の金額はそのまま変わらないので、債務に対する実質負担は、10分の1で済んでしまうからである。戦後直後の日本がそうだったし、第一次大戦後のドイツの場合、物価を1兆倍にすることで、支払不能の政府債務を洗い流した歴史的な事例であった。国民生活は、この異常とも云うべき物価高によって壊滅的な打撃を受けたことはいうまでもない。リヤカーにマルク紙幣を積んで買い物に行く写真や積み木代わりに紙幣の束を使用した子供たちの例など、が想起される。では、現代日本の前には、どのような選択肢があるのだろうか?』
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