やんの読書日記
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2005年08月09日(火) 蒼路の旅人

上橋菜穂子作
偕成社

父の皇帝にうとまれて、
命まで狙われたチャグムは
生まれながらに賢い子どもであったために
父の殺意と、周りの期待に押しはさまれて
心に闇を持っていた。
遠い南の大国タルシュに侵略されてしまうかもしれない
そう言う危機の時に、チャグムは罠と知りながら
隣国のサンガル国に赴くのだが
サンガル国はすでに侵略されていて
チャグムは捕虜になってしまう。

大国のすさまじい強さと
侵略された国の哀れを見たチャグムは
ひとりで思い切った行動を起こす。
「精霊の守人」でバルサに助けられる
幼い子どもであったチャグムが
賢く強く、立派になって行く物語の始まりだ。

チャグムのような思慮深く、節度ある、人民を思う政治家なら
世の中は救われると思うのに、金と武力で意のままに人を操る
大国がそれを阻むと言うのは、今の時代に即しても
納得のできない理不尽だ。
チャグムの思いは世に通じるのだろうか。
通じてほしい。


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