やんの読書日記
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上橋菜穂子作 偕成社
父の皇帝にうとまれて、 命まで狙われたチャグムは 生まれながらに賢い子どもであったために 父の殺意と、周りの期待に押しはさまれて 心に闇を持っていた。 遠い南の大国タルシュに侵略されてしまうかもしれない そう言う危機の時に、チャグムは罠と知りながら 隣国のサンガル国に赴くのだが サンガル国はすでに侵略されていて チャグムは捕虜になってしまう。
大国のすさまじい強さと 侵略された国の哀れを見たチャグムは ひとりで思い切った行動を起こす。 「精霊の守人」でバルサに助けられる 幼い子どもであったチャグムが 賢く強く、立派になって行く物語の始まりだ。
チャグムのような思慮深く、節度ある、人民を思う政治家なら 世の中は救われると思うのに、金と武力で意のままに人を操る 大国がそれを阻むと言うのは、今の時代に即しても 納得のできない理不尽だ。 チャグムの思いは世に通じるのだろうか。 通じてほしい。
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