やんの読書日記
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ロザムンド・ピルチャー作 中村妙子訳 日向房
冬至まで、スコットランドの早春、双子座の星のもとに などの作者ピルチャーの自伝的小説。 彼女の作品に共通しているのはお金持ちの女性 偶然の出会い、新しい展開 古きよき時代の家族の愛をていねいに きれいに描いている。
主人公ジュディスは14歳で イギリスのコーンワルの寄宿学校に転校し 家族は父の勤務先のスリランカへ。 休暇には伯母の家や友人のラヴデーのお屋敷に滞在することになったが 持ち前の上品な明るさ、気立てのよさで誰からも好かれる 娘へと育っていく。 第二次大戦前夜と言う暗い時期 伯母の財産を相続してお 金持ちのお嬢様的な生活に入ったのにもかかわらず 自分の立場をわきまえて、 地に足をつけた賢い生き方をするジュディスが かわいらしく、さわやかで、たのもしい。 これからどんな大人の女性になって行くのだろうか。 コーンワルの海の風や、花の香りまで薫ってくるような その表現に癒されながら、中、下も読みたい。
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