やんの読書日記
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ロード・ダンセイニ作 河出書房新社
ケルト系ファンタジーの大家の作品と聞き いちばん読み安い短編集を選んだ 訳は流麗で、詩を読んでいるかのよう。 夢の中のお話なので、幻想的で美しいのもあれば 悪夢もあり、冒険ファンタジーもある。 たいていの物語には空想の都市が出てきて 突如として消滅したり、崩壊する。 ここの部分は指輪物語や果てしない物語 の感覚によく似ている。 感覚がかけ離れていてよく分からなかったのもあるけれど なかでも「ヤン川を下る長閑な日々」の情景が綺麗でよかった。 「サクノスを除いて破るあたわざる堅砦」はケルト神話の クーフリンのようで面白かった。 全体に流れるケルト的思考 ダンセイニ卿はアイルランド人だということなのだろう。
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