空は明るいけど、ほんのわずかな雪が目の前にちらついている。休日の窓の外の灰色の雲から抜け出た光の空を眺めている。
弟は2日間だるさでダウンしてしまい仕事へいけなかったらしいので、昨日の夜は母に電話したら、ついでに向こうへも電話する勇気が出た。
複雑な姉弟ではある。一緒に育つことは現実が許さなかった。父が母に一方的に別れを押し付けて出て行く。残された二人の子供の上に幼い乳飲み子までを母が一人で抱えるのは無理な話でもあった。
一歳半のかわいかった弟は向こうの新しい母が自分の胸に抱きとった。初めてその人に会う機会を設けたとき、その人は連れ戻しに来た母があきらめて帰ったような言い方をした。
確かに育て上げてくれて私自身の中には感謝がないとはいえない。 怒りだの嫉妬だの抱く次元ではない。きれいで上品なおばあさん。母にはないものに父が心底惹かれたことを二人に会った時感じた。
過去は忘れて皆で仲良くできるならというほどの出来事ならばいいのに、それは複雑だ。
父がしたことのいくつかのことで単純に対処できなくさせるから。単にうまくいかず別れたのならまた違うのに。
ずっと心の中に住んでいた私たち家族である弟。会えなくても幸せな家庭を持って暮らしてくれていればとずっと思っていた。 ある程度年齢をきたらいつかまた会うこと、親たちの時代が過ぎたら必ず近づけることだけは信じていた。
年齢の節目を迎えたのと、体の不調にも揺さぶりをかけられたのと、偶然のような、必然のような流れの出来事とが一つに重なってからはもうずっと 家族の再開のことで頭は一色の一年半が過ぎたところだ。
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