空中楼閣

2004年05月14日(金) 某日、白い部屋にて。

 
「ここが、白い部屋。」
 
「なるほど、名は体を表す、ね。」
 
「そうです。」
 
「で、ここは何?」
 
「ですから、白い部屋です。」
 
「・・・そう。」
 
「もう、いいですか?」
 
「え?」
 
「出ませんか?」
 
「もう?」
 
「はい。
 この部屋に何かありますか?」
 
「何も無いね。」
 
「そう、何も無いんです。」
 
「何も無い。」
 
「はい、何も。」
 
「それでも、いや、だからこそ、何かあると思うのだけど。」
 
「いいえ、何も無いんです。
 何も無いから、白い部屋なんです。」
 
「そうなのかな。」
 
「居たければ居ても良いですけど。」
 
「じゃあ、少しだけ。」
 
 
数分の沈黙。
 
 
背後には人の気配。
 
 
カチャリ。
 


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亨 [MAIL]

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