a fish called datsu -だつという名の魚-
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福山雅治のラジオを実はよく聞いている。私は福山雅治を役者としても、ミュージシャンとしても余り評価していない。だって、彼の曲ってプチ桑田佳祐みたいだし、『桜坂』も高橋幸宏の曲みたいで、余りオリジナリティを感じない。おまけに私はほとんどトレンディ・ドラマを見ない。だが、ラジオのパーソナリティとしては結構いいと思っている。トークはそこそこ面白いし、選曲もいい(スタッフが選んでるのかもだが)。その彼の番組で数週間前にウィーザーの新曲がかかった。おお!と思って耳を傾けていると、曲の途中なのに喋りよる。あの時ほど、ラジオで曲を全部聴かせろと思ったときもない。 そのウィーザーのニュー・アルバム、"The Green Album"を通しで聴いた。何というか、何年も会ってなかった友達に久しぶりに会ったような気分だ。バカ話とか思い出話に盛り上がったりしながら、ここ数年の話を聞いて、互いの苦労に思いを馳せる。そして、最後には明日もがんばろうと思う。感情移入のしすぎかも知れないが、本当にそう思った。前作の"Pinkerton"が出た5年前は個人的にはとても楽しかったけど、今では思い出したくないことで一杯なので、その思い出がぎっちり詰まったあのアルバムを聴く気にはなれなかった。でも、ニュー・アルバムを聴いてみるとリヴァース君も色々あったみたいだけど、相変わらずいい曲を書いていて、安心した。
NHK衛星でやってる『ニューヨーカーズ』が、とても好きだ。でてくる人たちがみんな個性的だからだ。これまで出てきた人には、『踊るのよ!フランチェスカ』の主役のドラッグ女優とか、ライブハウスのCBGBのオーナーとか、ユマ・サーマンのお父さんといった人たちがいる。最近見た、仙人の様に暮らすエコロジストも忘れがたい。そしてナレーターのサリー・オグリさんの声も落ち着いてて、毎週の放送が楽しみだ。だけど、サリーさんは産休で番組を休んで、代わりの人が司会をするらしい。でも、昨日の放送を見逃してしまい、どんな人だかよく知らない。 そんな『ニューヨーカーズ』で心に残っているのが、4つ星シェフだったけど、今はホームレスの就業支援で料理を教えているジルさんという人だ。彼女は自分の仕事がお金持ちばかりに楽しまれていることに飽き飽きして、この仕事に就いたらしい。多額の収入やキャリアを捨ててはいるけど、昔の人脈を生かして教え子に名店を見学させたり、就職のコネを付けたりしている。彼女は収入が減っても、好きなことを仕事にして、いきいきと暮らしていて格好良かった。
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