KALEIDOSCOPE

	◆KALEIDOSCOPE◆	◆Written by Sumiha◆

　

　 1/ひとやすみ・4

2003年11月01日(土)

　

	What is your wish? 3 　彼の都合を考えなかったあたしの自業自得だ。それでも悲しい。　パズルの話題はちょくちょく電話やメールで出た。絵柄は教えなかったから、余計にだろう。完成を心待ちにしていてくれたようだった。あたしも早く仕上げようと頑張る気になれた。　まだ家に残っているジグソーパズルをふたりで完成させる日を思い描いて、独りでこつこつと千ピースと五百ピースの――ふたつともレゾに手渡した――パズルを組み立てた。　いたわりの言葉を欲してなどいない。ただ一言。ひとことで構わない。パズルの感想を聞きたかった。　ちゃんと連絡してたら、いまごろ微笑い合えてたかな。　――――ちゃんと言えば良かった。　後悔と自己嫌悪にどっぷり頭まで浸かったときだった。　ガチャン、と重い扉の閉まる音のあとに。　左肘の辺りに負荷が掛かる。同時に体が傾ぐ。景色が流線型を描き足が悲鳴を上げ転ぶかと思った。手をコートから出す余裕も無い。衝撃を予想して目を瞑る。　ぽすっ。　衝撃は、あった。予想より遥かに緩和されて。　脳の処理速度が追いつかない。あたたかくて、やわらかい。あたしを包むのは……。「すみません」　耳に届く押し殺された低い声。「リナさん、すみません。違うんです」　レゾの声だ。じゃあ、あたしを無理に方向転換させたのも、いま抱き締めてるのも。「びっくりして、仕事に煮詰まっていて、だから会えて嬉しくて」　レゾだ。レゾ以外の誰でもない。「そうしたら綺麗なジグソーパズルまで頂いてしまって、本当にうれしくて」　ことばの途切れを恐れるような早口だ。　焦ってでもいるかのよう。「驚いたのと、嬉しかったのとで言葉が咄嗟に出てこなくて」　なにを焦るのだろう。あたしはレゾの腕の中にいて、どこにも行けない。行かないのに。　他人事のように思った。「……すみません。思い付いた端から話しているので意味が通じませんね」　彼は長く息を吐き、黙った。　聞こえていても頭にまで届かなかった彼の言葉を思い返す。　――――すみません。違うんです。　――――会えて嬉しくて。　――――本当にうれしくて。　――――言葉が咄嗟に出てこなくて。　あたしは邪魔でも、迷惑でも、なかった。　なんだ……早とちりしてただけか。良かった。　緊張が解ける。レゾのことばが冷えた体をじわじわ暖めるように沁みてくる。こころがふわりと軽さを取り戻した。　コートから手を出して彼の背中へまわす。「連絡……しなくて、ごめん」　言っていれば妙なすれ違いも起こらなかった。　振動が体に伝わる。彼が首を横に振ったのだろう。「嬉しかったから、いいんです。謝るべきは私のほうですよ。リナさんは何も悪くありません」　彼の悪い癖だ。そうやっていつも自分で全部背負おうとする。　付き合い始めた頃は彼のあまりの気の遣いように唖然とした。甘えるより戸惑った。際限の無い優しさに。いまは。　今は……すこしでも彼の荷物を持ちたいと思う。「寒いですね。体が冷えきっているでしょう。入りましょうか、紅茶を淹れますから」　顔を上げる。ふだんの穏やかな瞳にぶつかる。彼の性格そのままの。目は心の窓とはよくいったものだ。　頷こうとして思い止まった。「――あ……。でも、車」　すぐ戻るからと待たせているのだ。車内は暖房がきいているから寒くない。だからといって待たせていい訳はない。「タクシーで来たんですか？」　うん、と言っておけば良かったのかもしれない。だが小さな嘘でもつきたくない。　――――ご、ごめん。　心の中でドライバーに謝った。正直に言えばどうなるか。よくわかっていた。 ――続く。まだ続くんですよこれがまた！　うーわじれったい（おまえが言うか）。これでようやく折り返し地点かな。しかし本当に書きたかったシーンまでは程遠い。 Next is "なんだかからまわり・2". ……ごめんってば。 - - - - - - - - - - - - ◆私信某様あああありがとうございます～！！　グロッキー時に頂いてすっかり回復いたしました。我ながら現金です。そして別の意味でKO寸前です。かかか勘弁して下さいーッ！！　私に死ねと仰いますか！（笑）　KO寸前と言うか瀕死です。レゾの果報者。私と代わってくださいマジで（笑いながら蹴り飛ばされそうだ）。萌え死ぬかと思いました。思い出すだけでどきがむねむねです。おもわず触りたいとすら思ってしまいました（どこに触る気だ）。変態街道まっしぐらです。あああああ。なんかもう本当にダメダメです……。＝□○＿某様・アンケート私信ギリギリでもOKです、実際にアンケートを撤去したのは日付がかわってからでしたから！（相も変わらず駄目人間）　うーむむそうですか、リクエストされてしまったからには頑張ってみます。シリアス調でもOKでしょうか？　どうにもコメディは苦手で。本人、冗談のような人間なのですが（笑）。某カップリングもお好きということで、俄然やる気を出しています。なんとか年内に一作。無理であれば100質を。コメント嬉しかったです。こちらこそ励まされました。ご解答、有難う御座いました！ ◇戯言元気回復したので前言撤回（にしても書きすぎ）。ただし次回、次々回は雑談無し、小説のみです。余裕（私の余裕ではなく文字数の余裕）が無いためです。小説を載せるだけで多分いっぱいいっぱいかと。……この小説（↑）を正式にハロウィン小説として出した方が良かったような気がしてきました。とは言え二年連続（三年だったか？）ハロウィン小説をアップできていないので、そのお詫びと今年こそはということで（既に遅れてますが）ちゃんとしたハロウィン小説は五日に出します。もう少しお待ち下さい。本日からクリスマス創作のためのアンケートを実施します。必ずしも一位になったネタを書くとは限りません（笑）。募集項目はカップリング、話の傾向（甘々・シリアスなど）、二人の関係（原作と同じとかパラレルだったら教師と生徒とか）、こんな感じで。ああ、ネタに詰まったんだななんて突っ込まないで下さいお願いですから！（笑）　毎年時事ネタを書こうとするとネタ切れに困ります。「Birth...!」の裏話をそろそろ載せたいんですが、小説の途中に挟んでしまうとちょっとあれかと思い、載せられる日はまだ先になりそうです。ハロウィン小説を上げる頃にちょうど載せられるでしょうか。レゾリナハロウィン小説、どこ見てもイヤンな場所で切ってます。特に最終話（七話）の前の六話。やきもきしてください（笑）。性格の悪さがわかりますな。昨日今日と睡眠時間を足しても五時間に満たないので眠いです。眠気がある内にねたい。 BGM 西脇唯「二人」に帰ろう（私的レゾリナソング、と言うか「evergreen with you」「What is your wish?」一連のレゾリナに合う歌）

　